セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 076:母-息子に発症した自己免疫性肝炎例 |
演者 | 大穂 有恒(新日鐵八幡記念病院 消化器科) |
共同演者 | 山下 尚毅(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院 消化器科) |
抄録 | 【症例1】35歳,男性。主訴は倦怠感。6ヶ月前の健診で軽度肝障害指摘。倦怠感著明で近医受診し肝障害を指摘され、2010年9月28日当科入院。血小板数 20.4×10 4/ul、T.Bil 3.1 mg/dl、Alb 4.4 g/dl、AST 774 IU/l、ALT 1327 IU/l、ALP 298 IU/l、γ-GTP 234 IU/l、PT 83.1 %、IgG 1876 mg/dl、ANA40倍(speckled)、SMA(-)、LKM1(-)、HLA DR 8。肝炎ウイルスマーカーからウイルス性肝炎は否定的。肝生検にて繊維架橋形成を伴う慢性活動性肝炎の所見を認めた。治療前のAIHスコアは13点(疑診)。PSL 50mg内服開始後に肝障害は改善し、PPSL 5mgの維持内服にて経過安定。 【症例2】57歳,女性で症例1の母親。 入院10ヶ月前より逆流性食道炎にてPPI内服中。2ヶ月前に軽度肝障害を初めて指摘。2011年1月の再検にて肝障害の著明な悪化を認め当科入院。血小板数 25.8×10 4/ul、T.Bil 2.4 mg/dl、Alb 4.3 g/dl、AST 1212 IU/l、ALT 1620 IU/l、ALP 584 IU/l、γ-GTP 214 IU/l、PT 61.4 %、IgG 1969 mg/dl、ANA(-)、SMA(-)、LKM1(-)、HLA-DR 8、DR 9,肝炎ウイルスマーカーからウイルス性肝炎は否定的。肝生検にて著明なリンパ球浸潤と限界板の破壊を伴うsubmassive hepatic necrosisの所見。治療前のAIHスコアは13点(疑診)。PSL 40mg内服開始後に肝障害は速やかに改善し、PSL 5mgの維持内服にて経過安定。 【考察】AIHの発症や進展には遺伝因子の関与が考えられているが、本邦での家族内発症の報告例はまれである。今回若年男性とその母親に発症した自己免疫性肝炎例を文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 自己免疫性肝炎, 家族内発症 |