セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研17:

インターフェロン治療を行なった超高齢発症C型急性肝炎慢性化例の1例

演者 津田 麻理子(新日鐵八幡記念病院 消化器科)
共同演者 山下 尚毅(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 大穂 有恒(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院 消化器科)
抄録 症例は81歳、男性。輸血歴なし。2008年6月26日急性胆嚢炎に対して他院で腹腔鏡的胆嚢摘出術施行時AST 21 IU/l,ALT 19 IU/l、HCV抗体陰性。肝表面は平滑、正常肝であった。9月22日AST 226 IU/l,ALT 295 IU/l、HCVRNA陽性でC型急性肝炎と診断。10月8日AST 796 IU/l、ALT 1299 IU/lまで上昇し、その後低下するも多峰性に推移し慢性化した。グリチルリチン製剤静注による肝庇護療法施行するもALTは100 IU/l前後を推移し2010年2月18日当院初診。Alb 3.5 g/dl、AST 57 IU/l、ALT 62 IU/l、血小板数8.9万/μl、ICGR15 18%、HCVRNA 6.9 LogIU/ml、genotype 2b。肝組織はF2A2。2010年2月23日よりPEG-IFN/RBV併用療法(PEG-IFNα2b 60μg&リバビリン400mg)開始。8週目でHCVRNA陰性化。感染性腸炎発症のため2010年10月26日までの36週間で治療終了。その後HCVRNAは陰性化持続し著効となった。C型肝炎では感染時が高齢であるほど短期間で線維化が進展し、50歳以降では感染後数年で肝硬変に進行する例も報告されている。本例では発症1.5年でF2にまで進行し、血清アルブミン値も低下し比較的急速な進展例であった。肝庇護療法無効例では高齢者であってもインターフェロン治療を考慮する必要がある。
索引用語 C型急性肝炎, 高齢者