セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専40:G-CSF産生胃GISTの1例 |
演者 | 村上 祐一(遠賀中間医師会 おんが病院) |
共同演者 | 藤田 恒平(遠賀中間医師会 おんが病院), 矢田 親一朗(遠賀中間医師会 おんが病院), 畑田 鉄平(公立学校共済組合 九州中央病院), 平橋 美奈子(九州大学大学院 医学研究院 形態機能病理学), 山元 英崇(九州大学大学院 医学研究院 形態機能病理学), 松本 主之(九州大学大学院 医学研究院 病態機能内科学) |
抄録 | 症例は70歳代の女性.アルツハイマー型認知症にて経過観察中の2010年12月頃より繰り返す発熱を認め2011年3月4日に近医を受診. CRP 26mg/dl,γ-GTP 222 U/lを指摘され精査加療目的にて当院紹介受診となった.受診時,WBC13500/μl(neut84%),Hb7.1g/dl,Plt70.3万,CRP25.2mg/dlと貧血および炎症反応を認めた.入院後も発熱は持続していたが血液生化学検査,各種培養心エコーおよび胸腹部CTを施行したが明らかな発熱源は不明であった.同時に施行した上部消化管内視鏡検査では体部大弯を中心に大小不同の表面平滑な結節状隆起性病変および穹隆部に表面平滑な結節性の病変を認めた.いずれの病変も弾性硬であり,なだらかな立ち上がりを示し上皮性の変化には乏しい所見を呈していた.上部消化管造影検査では胃体部を中心に硬い印象の表面平滑な大小不同の結節性陰影,穹隆部に表面平滑な小結節状隆起性病変を認め伸展性は保たれていた.生検による病理組織学的検査にてGISTと診断された.感染源不明の持続する高熱,増悪するWBC高値および高CRP血症よりG-CSF 産生腫瘍が疑われ血清G-CSF83.7pg/mlと高値であった.抗G-CSF抗体を用いた免疫組織化学染色でも腫瘍細胞に一致して陽性であった.今回我々は,持続する高熱・炎症反応高値および増悪するWBC値を契機に発見されたG-CSF産生胃GISTの1例を経験した.G-CSF産生腫瘍は肺癌や膀胱癌での報告例が多く,本邦ではGIST産性胃癌の報告例が約44例である.我々が検索し得た範囲ではG-CSF産生胃GISTの報告例はこれまでなく,文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | G-CSF, GIST |