セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 085:うつ病合併C型慢性肝炎患者に対してIFNβ+Ribavirin併用療法を施行した3症例の検討 |
演者 | 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科), 久保田 陽子(長崎大学病院消化器内科), 山口 東平(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
抄録 | うつ病合併C型慢性肝炎患者に対してIFNβ+Ribavirin併用療法を施行した3症例の検討現在、C型慢性肝炎の治療ガイドラインでは、PEG-IFN+リバビリン併用療法を治療の基本としている。しかし治療開始8から12週目にPEG-IFNα製剤使用による不眠や抑うつ状態が出現し、治療中止例も約5%に見られ、抑うつ傾向の患者の治療が制限されている。現在のガイドラインではうつ病またはうつ状態などIFNαが不適応およびPEG-IFNα+Rivavirin併用療法でうつ病が出現した症例などの副作用の出現が予測される症例に対しては、うつの副作用が少ないとされるIFNβ+Rivavirin併用療法を選択するとされている。しかし実際にうつ病患者に対してIFNβ+Rivavirin併用療法を施行した報告は少ない。今回我々はうつ病に対して薬物療法を施行されているC型慢性肝炎患者に対してIFNβあるいはIFNβ+Ribavirin併用療法を中止することなく施行できた3症例について文献的考察を交えて報告する。症例1.45歳男性、serotype2、HCV-RNA 4.8logIU/ml、うつ病の診断にて内服加療中。IFNβにて治療導入。導入1日後にはHCV高感度コア蛋白は検出限界以下にまで低下した。うつ病に関してはIFN導入後数日は気分の高揚などの症状が出現したが数日で消退し、その後は特に精神科的フォローを必要とせず治療終了された。効果判定は外来受診されず行えていない。症例2.63歳女性、serotype2、HCV-RNA 4.5logIU/ml、うつ病の診断にて内服加療中。IFNβにて治療導入。導入1日後にはHCV高感度コア蛋白は検出限界以下にまで低下した。導入後もうつ病の増悪は認めなかった。3ヶ月後の血液検査にてHCV-RNA陽性化しており、再燃の判定となった。症例3.63歳女性(症例2と同一症例)、serotype2、HCV-RNA 4.2logIU/ml、うつ病の診断にて内服加療中。前回IFNβにて治療導入され再燃した経緯あり、IFNβ+Ribavirin併用療法にて治療導入。導入後一過性にうつ状態の増悪あるも薬剤調整を行い、治療完遂可能であった。6ヶ月後のHCV-RNAは陰性であり、SVRと判定した。 |
索引用語 | IFNβ, うつ病 |