セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専73:

腸重積をきたしたS状結腸低分化型粘液癌の1例

演者 鈴木 博子(済生会熊本病院)
共同演者 上原 正義(済生会熊本病院), 井戸 佑美(済生会熊本病院), 齋藤 宏和(済生会熊本病院), 糸島 尚(済生会熊本病院), 杉原 一明(済生会熊本病院), 藤山 俊一郎(済生会熊本病院), 須古 信一郎(済生会熊本病院), 門野 義弘(済生会熊本病院), 塩屋 公孝(済生会熊本病院), 村岡 正武(済生会熊本病院), 吉田  健一(済生会熊本病院), 上川 健太郎(済生会熊本病院), 工藤 康一(済生会熊本病院), 江口 洋之(済生会熊本病院), 浦田 淳資(済生会熊本病院), 近澤 秀人(済生会熊本病院), 今村 治男(済生会熊本病院), 多田 修治(済生会熊本病院)
抄録  症例は68歳、男性。定期検査で貧血を指摘され、精査の大腸内視鏡検査にてS状結腸に通過困難な1型腫瘍を指摘され当科紹介となる。当科にても大腸内視鏡検査を行ったところ、SDJ付近に、管腔を埋めるように6~7cm大の1型腫瘍を認めた。注腸X線検査では蟹爪様陰影欠損として描出され、腹部超音波検査ではtarget sign、CT検査にてmultiple concentric ring sign を呈しており、S状結腸癌による腸重積と診断した。腹痛・便秘などの自覚症状はなく、CT検査上も明らかなイレウス像は認めなかった。重積した大腸は大腸内視鏡検査・注腸X線検査の際には整復できなかった。内視鏡検査時の生検結果は粘液癌の診断で、準緊急に手術となった。切除標本では、病変は6×6cm大の不整隆起を呈し、病理組織学では低分化型の粘液癌の診断で1型腫瘍の癌巣では粘液産生が著明であった。また、リンパ管侵襲が高度であり、傍腸管リンパ節に転移を認めた。従って、病理学的最終診断はtype1,6×6cm,muc,SE,N2,H0,P0,M0,StageIIIbであった。現在、術後補助化学療法中であり再発は認めていない。今回、比較的稀な粘液癌による腸重積を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腸重積, 粘液癌