共同演者 |
上原 正義(済生会熊本病院), 井戸 佑美(済生会熊本病院), 齋藤 宏和(済生会熊本病院), 糸島 尚(済生会熊本病院), 杉原 一明(済生会熊本病院), 藤山 俊一郎(済生会熊本病院), 須古 信一郎(済生会熊本病院), 門野 義弘(済生会熊本病院), 塩屋 公孝(済生会熊本病院), 村岡 正武(済生会熊本病院), 吉田 健一(済生会熊本病院), 上川 健太郎(済生会熊本病院), 工藤 康一(済生会熊本病院), 江口 洋之(済生会熊本病院), 浦田 淳資(済生会熊本病院), 近澤 秀人(済生会熊本病院), 今村 治男(済生会熊本病院), 多田 修治(済生会熊本病院) |
抄録 |
症例は68歳、男性。定期検査で貧血を指摘され、精査の大腸内視鏡検査にてS状結腸に通過困難な1型腫瘍を指摘され当科紹介となる。当科にても大腸内視鏡検査を行ったところ、SDJ付近に、管腔を埋めるように6~7cm大の1型腫瘍を認めた。注腸X線検査では蟹爪様陰影欠損として描出され、腹部超音波検査ではtarget sign、CT検査にてmultiple concentric ring sign を呈しており、S状結腸癌による腸重積と診断した。腹痛・便秘などの自覚症状はなく、CT検査上も明らかなイレウス像は認めなかった。重積した大腸は大腸内視鏡検査・注腸X線検査の際には整復できなかった。内視鏡検査時の生検結果は粘液癌の診断で、準緊急に手術となった。切除標本では、病変は6×6cm大の不整隆起を呈し、病理組織学では低分化型の粘液癌の診断で1型腫瘍の癌巣では粘液産生が著明であった。また、リンパ管侵襲が高度であり、傍腸管リンパ節に転移を認めた。従って、病理学的最終診断はtype1,6×6cm,muc,SE,N2,H0,P0,M0,StageIIIbであった。現在、術後補助化学療法中であり再発は認めていない。今回、比較的稀な粘液癌による腸重積を経験したので、文献的考察を加えて報告する。 |