セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研85:

術前診断しえた十二指腸傍乳頭憩室穿孔の1例

演者 入野 健佑(国立病院機構)
共同演者 蒲原 行雄(国立病院機構), 釘山 統太(国立病院機構), 渡邊 健人(国立病院機構), 町野 隆介(国立病院機構), 朝長 哲生(国立病院機構), 野中 隆(国立病院機構), 徳永 隆幸(国立病院機構), 遠山 啓亮(国立病院機構), 前田 茂人(国立病院機構), 永田 康浩(国立病院機構), 田川 努(国立病院機構), 藤岡 ひかる(国立病院機構)
抄録 きわめて稀な十二指腸傍乳頭憩室穿孔例を経験したので報告する。症例は60歳代、男性。近医で胆管結石と血清アミラーゼの上昇を認め胆石膵炎として加療中であったが、後腹膜に遊離ガスを認め膵炎増悪の診断で当センター紹介となった。来院時プレショック状態ではあったが重症膵炎所見に乏しかった。上部消化管内視鏡では傍乳頭憩室壁の発赤と出血を認めた。胆道造影に異常なく、同憩室に造影剤を注入しCTで検索したところ後腹膜腔への造影剤の流出を認め、傍乳頭憩室穿孔と診断し緊急手術を施行した。腹腔内に約1.5Lの血性腹水を認めた。穿孔した傍乳頭憩室の壁損傷は限局的であったため縫合閉鎖し十二指腸内に減圧チューブを留置し、胆嚢摘出術および胆管載石術を行いTチューブを留置した。術後経過は良好でであった。十二指腸憩室の穿孔は一般に下行脚に多く傍乳頭憩室の穿孔はきわめて少ない。また、特異的所見に乏しく、術前に診断されることは稀である。本症例では術前の内視鏡検査と憩室造影を行いCTで確認することにより術前診断が可能であった貴重な症例と考えられた。若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 十二指腸憩室穿孔, 後腹膜機種