| セッション情報 | ワークショップ4「進行肝細胞癌の治療戦略」 |
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| タイトル | WS4-03:進行肝細胞癌に対するsorafenibの治療戦略 |
| 演者 | 玉井 努(鹿児島大学医学部歯学部附属病院 消化器内科) |
| 共同演者 | 馬場 芳郎(鹿児島厚生連病院・内科), 平峯 靖也(鹿児島厚生連病院・内科), 堀 剛(鹿児島逓信病院・肝臓内科), 長谷川 将(霧島市立医師会医療センター・肝臓内科), 重信 秀峰(済生会川内病院・肝臓内科), 小森園 康二(南風病院・肝臓内科), 駒田 直人(藤元早鈴病院・消化器科), 岩満 章浩(宮崎医療センター病院・消化器肝臓センター), 森内 昭博(鹿児島大学医学部歯学部附属病院 消化器内科), 宇都 浩文(鹿児島大学医学部歯学部附属病院 消化器内科), 桶谷 眞(鹿児島大学医学部歯学部附属病院 消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学医学部歯学部附属病院 消化器内科), 坪内 博仁(鹿児島大学医学部歯学部附属病院 消化器内科) |
| 抄録 | 【目的】進行肝細胞癌に対してsorafenibを導入した症例について、安全性・有効性について評価し、治療戦略について検討した。【対象】2009年5月~2011年3月までに当科および関連施設でsorafenibを導入した81例を対象とした。患者背景は、男性63例、女性18例で、年齢の中央値は70歳(35-87歳)。背景肝はHBV/ HCV/ NBNC: 21/ 41/ 19例。Child-Pugh A5/ A6/ B7: 43/ 37/ 1例。腫瘍背景は、HCC stage II/ III/ IVa/ IVb: 5/ 19/ 23/ 34例。門脈腫瘍塞栓は、Vp3以上無し/有り: 53/ 28例であった。【結果】sorafenib初期投与量は、1日800mg/ 400mg : 46/ 35例。sorafenibの平均観察期間は207日。平均投与期間は112日であった。81例の抗腫瘍効果は、CR/ PR/ SD/ PDが2 (2.5%)/ 4 (4.9%)/ 36 (44.4%)/ 39例 (48.1%)で、奏功率は7.4%、腫瘍制御率は51.9%であった。HCC stage別生存率は、II、III、IVbで有意差を認めなかったが、IVaは各群と比較して有意に低下していた(P=0.01)。また抗腫瘍効果別生存率は、病勢コントロール別比較(CR/ PR/ SD群 vs PD群)においてCR/ PR/ SD群が有意に良好であった。Sorafenibの初期投与量が800mg/日の症例(StageIVbを除いた25例)における病勢コントロールに寄与する因子の検討では、多変量解析でsorafenibの体重当たり1日投与量11mg/day/kg以上(p=0.027、オッズ比0.068、95%CI : 0.006-0.741)が、独立した規定因子であった。また同群における予後規定因子の検討では、単変量解析でVp無し(p=0.021)、sorafenib投与期間30日以上(p=0.001)、病勢コントロール有り(p=0.018) で有意に予後良好であり、これらを用いた多変量解析では、sorafenib投与期間30日以上有り(p=0.006、ハザード比0.064、95%CI : 0.009-0.460)、病勢コントロール有り(p=0.007、ハザード比5.961、95%CI : 1.615-22.004)が、独立した予後規定因子であった。【結論】進行肝細胞癌に対するsorafenibの投与は、病勢コントロールの維持、すなわち抗腫瘍効果としてSD以上の維持が肝要と考えられた。 |
| 索引用語 | 肝細胞癌, sorafenib |