セッション情報 一般演題

タイトル 160:

膵管狭窄の経過フォロー中に発見されたin situ膵管癌の1例

演者 渡邊 健人(長崎医療センター 外科)
共同演者 蒲原 幸雄(長崎医療センター 外科), 釘山 統太(長崎医療センター 外科), 町野 隆介(長崎医療センター 外科), 朝長 哲生(長崎医療センター 外科), 野中 隆(長崎医療センター 外科), 徳永 隆幸(長崎医療センター 外科), 遠山 啓亮(長崎医療センター 外科), 前田 茂人(長崎医療センター 外科), 田川 努(長崎医療センター 外科), 永田 康浩(長崎医療センター 外科), 八橋 弘(長崎医療センター 内科), 阿比留 正剛(長崎医療センター 内科), 佐伯 哲(長崎医療センター 内科), 元吉 康英(長崎医療センター 内科), 藤岡 ひかる(長崎医療センター 外科)
抄録 主膵管狭窄の経過観察中に発見されたin situ膵管癌の1例近年、画像診断が進歩しているにも関わらず膵癌の早期発見は困難である。今回、膵管狭窄の経過観察中に診断されたin situ膵管癌を経験したので文献的考察を加え報告する。
【症例】70歳代、男性。【主訴】なし【現病歴】2006年に胆石性膵炎の診断で胆嚢摘出術を施行されたが、その後膵炎の再燃、消退を繰り返していた。精査で、主膵管の限局性狭窄を認めたが悪性を示唆する所見に乏しく経過観察を行っていた。しかし、最近膵管拡張の増悪を認めていた。また、最新のERP時の主膵管狭窄部の擦過細胞診でClassIIIbであった。膵癌の存在が否定できないため膵頭十二指腸切除術を施行した。手術所見では、膵は全体に硬化し慢性膵炎の所見を示し、膵頭部に腫瘤を触知したが超音波では確認できなかった。摘出標本では、主膵管内に扁平小隆起を認め、病理学的には膵管上皮の幽門化生や腸上皮化成が見られた。また、主膵管の一部に核異型の伴わない扁平な乳頭上の増殖のみのPanIN1から核の腫大を認め基底膜浸潤のないPanIN3相当までの異型度を認めin situ膵管癌と診断した。術後経過は良好で術後24日目に退院し、現在再発なく外来で経過観察中である。
【まとめ】膵癌の早期発見は困難なことが多いが、本症例では膵管の定期的画像評価を行うことで微小変化を的確にとらえたことが早期発見・治療に繋がったものと考えられた。
索引用語 keikei1023, takehito0228