セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研31:外傷性破裂を契機に診断された膵粘液性嚢胞腺癌の1例 |
演者 | 佐藤 早恵(国立病院機構 長崎医療センター 外科) |
共同演者 | 徳永 隆幸(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 蒲原 行雄(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 渡邊 健人(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 釘山 統太(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 町野 隆介(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 朝長 哲生(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 野中 隆(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 渡海 由貴子(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 遠山 啓亮(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 前田 茂人(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 田川 努(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 永田 康浩(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 藤岡 ひかる(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 伊東 正博(国立病院機構 長崎医療センター 臨床検査科), 三原 裕美(国立病院機構 長崎医療センター 臨床検査科) |
抄録 | 膵粘液性嚢胞性腫瘍は中年女性の膵体尾部に発生することが多く、卵巣様間質の存在が特徴とされている。今回、我々は腹部鈍的外傷により膵嚢胞の破裂を来たし腹腔内出血にて緊急手術を行い、術後に粘液性嚢胞腺癌と診断された症例を経験したので報告する。症例は40歳代、女性。原付自転車で走行中に自動車に衝突、腹部を打撲し前医救急搬送となった。腹膜刺激症状はなく、バイタルは安定していたが腹部エコーでダグラス窩に液体貯留を認めたため、CT検査を行ったところ腹水の貯留と膵尾部に10cm大の嚢胞性病変を認めた。造影CTでは腹腔内出血は否定的であったため、保存的加療を行っていた。その後、腹痛の増強を認め、再検査のCTで膵病変は虚脱し腹水の増加を認めたため膵嚢胞の破裂が疑われ精査加療目的に当センターへ救急搬送となった。膵嚢胞破裂の診断で緊急手術を行ったが、腹腔内に多量の血性腹水を認め、膵体尾部に存在する嚢胞が破裂しており、嚢胞壁からの出血も認めた。嚢胞を含む膵体尾部切徐および脾臓摘出術を行った。嚢胞性病変は、核異型高度な異型腺上皮の低乳頭状増殖を認め粘液性嚢胞腺癌の診断であった。線維性の嚢胞壁は卵巣間質様で間質浸潤はごく軽度であった。術後、膵液漏が遷延したが保存的に軽快し、28病日に自宅退院となった。膵粘液嚢胞腺癌について文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 膵嚢胞性腫瘍, 破裂 |