セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研22:原発不明癌として紹介された腹膜播種を伴う卵巣癌と考えられる1例
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演者 |
米良 和子(潤和会記念病院 外科DELIMITER宮崎大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター) |
共同演者 |
岩村 威志(潤和会記念病院 外科), 樋口 茂輝(潤和会記念病院 外科), 黒木 直哉(潤和会記念病院 外科), 新名 一郎(潤和会記念病院 外科), 林 透(潤和会記念病院 病理診断部) |
抄録 |
我々は原発不明癌として紹介された腹膜播種を伴う卵巣癌と考えられる1例を経験したので報告する。症例は60代女性。頻回の排便と右上腹部腫瘤を主訴に前医を受診された。検査の結果、原発巣不明のため、精査・加療目的に当院紹介入院となった。入院後、診査腹腔鏡を施行。鏡視下に腹水細胞診・播種性病変の生検を行った。併せて、CVポート造設術・腹腔ポート造設術も施行した。各種画像検査、細胞診、病理組織診の結果、卵巣または腹膜を原発巣とする漿液性腺癌をも最も疑い、TC療法を4クール施行した。化学療法施行後の効果判定CTにて子宮周囲の境界不明瞭な腫瘤は縮小傾向であったが、播種巣と思われる右上腹部腫瘤は増大傾向を認めたため、腫瘍減量手術として、右半結腸切除術と両側子宮付属器切除術を施行した。術後補助化学療法としてTC療法を6クール施行後明らかな再発巣や転移巣などを認めることもなくclinical CRとなった。婦人科系悪性腫瘍は、消化器症状を合併し消化器科を受診されることも少なくない。診査腹腔鏡は腹腔内観察と鏡視下生検が可能であるという点で診断に有用と考えられた。若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
原発不明癌, 腹膜播種 |