セッション情報 一般演題

タイトル 154:

十二指腸腺腫の2症例(胃型腺腫と腸型腺腫)

演者 陳 俊全(春回会 井上病院消化器内科)
共同演者 村田 慎一(春回会 井上病院消化器内科), 今村 祥子(春回会 井上病院消化器内科), 三嶋 亮介(春回会 井上病院消化器内科), 柳 謙二(春回会 井上病院消化器内科), 井上 健一郎(春回会 井上病院消化器内科), 牧山 和也(春回会 井上病院消化器内科), 中島 正洋(長崎大学腫瘍・診断病理学研究分野)
抄録 一般的に乳頭部を除く十二指腸腺腫の発生頻度は胃・大腸のものと比較すると稀な疾患であるが、無症状の前癌病変あるいは癌合併病変としての報告もあり重要な疾患である。今回、十二指腸下行脚に発生した腸型、胃型と腸型の混在した十二指腸腺腫をそれぞれ1例経験した。
症例1、45歳男性、平成23年に検診目的で施行した上部消化管内視鏡検査にて十二指腸下行脚に5mm大のIIc+IIa様病変があり、生検でadenomaの診断にてEMRを施行した。病理組織学的には一部で癒合傾向と核の重層傾向を伴いadenoma with high grade atypiaの診断であった。特殊免疫染色ではCD10が陽性であり腸型十二指腸腺腫と考えられた。症例2、57歳女性、平成23年に検診目的で施行した上部消化管内視鏡検査にて十二指腸下行脚に6mm大のIIa+IIc様病変があり、腺腫疑いにてEMRを施行した。病理組織学的にはtubular adenomaであり特殊免疫染色ではCD10、MUC5AC、MUC6が陽性であり胃型と腸型が混在した十二指腸腺腫と考えられた。十二指腸腺腫、特に胃型上皮に由来するものや胃型と腸型が混在していた例の報告は極めて稀である。今回EMRにより治癒切除が得られたこの2つの症例を若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 十二指腸腺腫, EMR