| セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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| タイトル | 研03:自己免疫性肝炎として治療中に急性増悪し、成人Still病と診断された肝障害の1例 |
| 演者 | 一瀬 仁美(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科) |
| 共同演者 | 戸次 鎮宗(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 阿比留 正剛(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 福島 真典(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 安永 有希(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 橋元 悟(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 大谷 正史(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), はい 成寛(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 佐伯 哲(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 長岡 進矢(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 小森 敦正(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 安東 恒史(長崎医療センター 血液内科), 宮下 賜一郎(長崎医療センター 総合診療科), 三原 裕美(長崎医療センター 臨床検査科病理), 伊東 正博(長崎医療センター 臨床研究センターDELIMITER長崎医療センター 臨床検査科病理), 石橋 大海(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター) |
| 抄録 | 症例は72歳、女性。主訴は発熱、食欲不振。既往歴は気管支喘息、高血圧、骨粗鬆症。2011年2月末より関節痛があり、前医にて内服加療されていた。4月末から10日間発熱、食欲不振、嘔気、全身倦怠感、下痢が持続したため前医に入院し、CTで胆嚢壁肥厚を認め胆嚢炎として抗菌薬で治療された。解熱後もAST、ALTが500~600台と高値が持続し、IgG も2089mg/dlと高値を認め、自己免疫性肝炎が疑われ5月当科紹介入院となった。入院時の血液検査所見ではAST、ALT、IgGの高値に加え、フェリチンも7180ng/mlと上昇を認めた。自己免疫性肝炎診断のための治療前の国際診断基準スコアは17点であり、確診例として、プレドニゾロン(PSL) 60mg/日、4日間を開始した。投与翌日には関節痛以外の症状は消失し、血液検査所見も改善したためPSLを漸減した。経過良好であったが、PSL 20mgまで減量した日に突然40℃の発熱、全身の皮疹、眼瞼浮腫が出現した。血液検査では血小板2.4万と著明な低下を認め、骨髄生検にて血球貪食像を認めた。同日よりステロイドパルスの施行(メチルプレドニゾロン500mg/日、3日間)により症状は軽快し血液検査所見も改善を認めた。成人Still病と診断し、ステロイドの内服に加え、シクロスポリンを追加した。以後、ステロイド漸減後も再燃認めず経過良好である。本症例は当初、自己免疫性肝炎と診断したが、発熱、関節痛、発疹の合併も認め、成人Still病の診断に至った。急性増悪時の症状は、Yamaguchiらの成人Still病分類基準の項目である39度以上の発熱、定型的発疹、関節痛、肝機能異常、リウマトイド因子及び抗核抗体陰性を満たしていた。発熱、関節痛、フェリチン上昇が認められる症例の場合、成人Still病の可能性を考え、対応していく必要があると考えられた。成人Still病と肝障害の関連について若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | 自己免疫性肝炎, 成人Still病 |