セッション情報 一般演題

タイトル 032:

腸管内子宮内膜症により腸閉塞を発症した1例

演者 澤村  紀子(九州大学 病態制御内科学)
共同演者 深浦 啓太(九州大学 病態制御内科学), 田中 義将(九州大学 病態制御内科学), 小副川 啓(九州大学 病態制御内科学), 井星 陽一郎(九州大学 病態制御内科学), 岩佐 勉(九州大学 病態制御内科学), 麻生 暁(九州大学 病態制御内科学), 荻野 治栄(九州大学 病態制御内科学), 伊原 栄吉(九州大学 病態制御内科学), 中村 和彦(九州大学 病態制御内科学), 高柳 涼一(九州大学 病態制御内科学), 植木 隆(九州大学 臨床・腫瘍外科), 長田 美佳子(九州大学 形態機能病理学), 平橋 美奈子(九州大学 形態機能病理学), 小田 義直(九州大学 形態機能病理学)
抄録 症例:40代女性。主訴:腹痛・腹鳴。既往歴・家族歴・生活歴:特記事項なし。現病歴:30代の頃より月経時に嘔吐を認めていた。平成22年7月より腹鳴・腹痛・嘔吐あり、月経周期に一致して腹痛の増強を認めた。平成23年1月頃より腹痛が強く食事摂取不能となり嘔吐を繰り返すため、同年3月当科紹介受診。精査加療目的に当科入院となった。入院時現症:腹部は平坦・軟。下腹部に圧痛を認めた。腹鳴に伴い腹痛の出現あり。入院時検査成績:T. Bil 2.0mg/dlと軽度上昇を認める以外、特記なし。腹部単純X線検査では拡張した小腸ガス像と鏡面像を認めた。腹部造影CT検査にて骨盤底部右側に腫瘤を認め、同部位での小腸管腔狭小化が疑われた。口側小腸の拡張と液貯留を認め腸閉塞と診断し、イレウスチューブを留置した。イレウスチューブにより腹痛、腹部膨満感は軽減したが、排便、排ガスを認めず、10日後、経肛門的ダブルバルーン小腸内視鏡検査施行した。CTで認めた狭窄部位にスコーブが到達せず、回盲弁口側10cm部位とイレウスチューブからガストログラフィンで造影し、骨盤内回腸に約4cm大の陰影欠損、同部位近傍に小腸の閉塞を認めた。保存的加療で腸閉塞の解除は困難と判断し、当院外科にて腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行、骨盤子宮内膜症及び腸管子宮内膜症の所見を認めた。病理組織診断は子宮内膜症であった。結語:腸管子宮内膜症により腸閉塞を発症した1例を経験した。腸管子宮内膜症が回腸に発生する事は比較的まれであり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 子宮内膜症, 腸閉塞