| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 157：腹腔内出血をきたした穿孔性胆嚢炎の一例 |
| 演者 | 小山 一隆（鹿児島市医師会病院消化器内科） |
| 共同演者 | 川畑 活人（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 岡江 耕二郎（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 中武 信純（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 下川原 尚人（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 宇都宮 民治（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 岩切 裕二（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 山口 淳正（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 内園 均（鹿児島市医師会病院消化器内科）, 實 操二（鹿児島市医師会病院外科）, 田畑 峯雄（鹿児島市医師会病院外科） |
| 抄録 | 症例は71歳男性で主訴は心窩部痛。以前より胆嚢壁肥厚を伴う胆嚢結石を指摘。H23/4/1の昼頃より心窩部痛出現。痛み増強し4/2紹介医受診。紹介医CT検査にて胆嚢結石、胆嚢壁肥厚、総胆管結石(4mmの結石1個)による閉塞性黄疸と診断され当院緊急入院。当院での腹部USでは、胆嚢内に20mmの結石と全周性の壁肥厚あり。総胆管の拡張あるも総胆管結石は同定できず。血液検査で炎症反応、胆道系酵素の上昇、黄疸あり、緊急内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)施行し、内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)を留置。4/7、内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)後に総胆管結石排石。ERCP時には胆嚢管及び胆嚢の一部は造影され、再度ENBD留置。4/8の夕方より心窩部痛出現し、ENBDチューブより血性胆汁流出あり。ENBD洗浄を行い、腹部症状軽減。4/9、心窩部痛増強し、血圧低下認め、緊急CT検査を施行。胆嚢よりダグラス窩にかけて腹腔内出血あり、出血性胆嚢炎穿孔と診断し緊急手術施行。術中所見としては、胆嚢に大網、結腸、十二指腸が強固に癒着し、胆嚢十二指腸瘻が存在した。胆嚢の一部が穿孔し、そこからの出血がみられ、モリソン窩～右傍結腸溝～ダグラス窩に血液が流れ込んでいた。胆嚢摘出術がなされ術後経過は良好であった。出血性胆嚢炎での、穿孔例は稀であり急性期胆道疾患の合併症として非常に重篤なものである。今回の症例は、炎症反応の上昇、胆嚢全周性壁肥厚あるも、ENBD留置にて改善され、排石時のERCPでは胆嚢は一部造影されていた。ただ、胆嚢壁の血流に関しては、一度も造影CTがなされておらず、術前の評価がない点が問題と考えられた。今回、我々はCTで出血が描出され手術にて確認された貴重な症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
| 索引用語 | 出血性胆嚢炎, 腹腔内出血 |