セッション情報 一般演題

タイトル 075:

ウルソデオキシコール酸とベザフィブラートが奏功したoverlap症候群の1例

演者 畑山 勝子(福岡大学筑紫病院消化器内科)
共同演者 野間 栄次郎(福岡大学筑紫病院消化器内科), 植木 敏晴(福岡大学筑紫病院消化器内科), 光安 智子(福岡大学筑紫病院消化器内科), 川本 研一郎(福岡大学筑紫病院消化器内科), 蓑田 竜平(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松村 圭一郎(福岡大学筑紫病院消化器内科), 丸尾 達(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院消化器内科), 金光 高雄(福岡大学筑紫病院消化器内科), 原岡 誠司(福岡大学筑紫病院消化器内科), 岩下 明徳(福岡大学筑紫病院消化器内科)
抄録 ウルソデオキシコール酸とベザフィブラートが奏功したoverlap症候群の1例福岡大学筑紫病院消化器内科(1) 同病理部(2)畑山 勝子(1) 野間 栄次郎(1) 植木 敏晴(1) 光安智子(1)  川本研一郎(1)蓑田竜平(1) 松村圭一郎(1) 丸尾達(1) 松井 敏幸(1)金光 高雄(2) 原岡 誠司(2) )岩下 明徳(2)症例は45才の女性。平成22年12月に顔面神経麻痺で当院耳鼻咽喉科入院した。その際の血液検査にて肝胆道系酵素の上昇を認め、平成23年4月に肝生検目的で当科紹介入院となった。機会飲酒で、原因となるような薬剤服用歴はなかった。入院時の検査所見はAST67U/L、ALT72U/L、ALP1001U/L、γ-GTP330U/L、ウイルスマーカーは全て陰性で、IgG2987mg/dL、IgM423mg/dL抗核抗体80倍、抗LKM-1抗体陰性、抗ミトコンドリア抗体80倍、抗ミトコンドリアM2抗体175U/mLであった。腹部エコーでは慢性肝疾患パターンであった。肝組織像は形質細胞浸潤と肝細胞の脱落、ロゼット形成、Interface hepatitisを認め、自己免疫性肝炎に典型的な組織像であった。同時に破壊性胆管炎や肉芽腫と思われる原発性胆汁性肝硬変症を示唆する所見も認めた。自己免疫性肝炎スコアは、国際診断基準で15点(probable)、簡易化スコアリングで7点(definite)であった。Paris criteriaでは原発性胆汁性肝硬変症は3項目中3項目、自己免疫性肝炎は3項目中2項目で合致した。以上より自己免疫性肝炎および原発性胆汁性肝硬変症のoverlap症候群と診断した。4月からウルソデオキシコール酸600mg/日の内服を開始した。6月にはALT、ASTは正常域内に改善したがALP、γ-GTPは依然高値であり8月よりベザフィブラート400mg/日の内服も併用開始し経過観察中である。ウルソデオキシコール酸とベザフィブラートの内服で良好な経過をたどった自己免疫性肝炎と原発性胆汁性肝硬変症のoverlap症候群を経験したので報告する。
索引用語 ウルソデオキシコール酸, overlap症候群