セッション情報 一般演題

タイトル 042:

直腸を主座とする虚血性大腸炎の1例

演者 川畑 活人(鹿児島市医師会病院)
共同演者 小山 一隆(鹿児島市医師会病院), 岡江 耕二郎(鹿児島市医師会病院), 中武 信純(鹿児島市医師会病院), 宇都宮 民治(鹿児島市医師会病院), 下川原 尚人(鹿児島市医師会病院), 岩切 裕二(鹿児島市医師会病院), 内園 均(鹿児島市医師会病院), 山口 淳正(鹿児島市医師会病院), 坪内 博仁(鹿児島大学病院)
抄録 今回直腸を主座とする虚血性大腸炎の1例を経験した。症例は84歳女性。基礎疾患として脳梗塞、発作性心房細動、痛風があり抗血小板薬を内服していた。21時頃突然の腹痛あり、その後、嘔吐・下痢が出現した。意識レベルの低下もみられ、紹介医受診となった。血圧が40mmHg台とショック状態となり、血便を認めたため当院緊急搬送となった。腹部エコーにて横行結腸からS状結腸まで壁肥厚あり、虚血性腸炎との診断となった。入院後もバイタルサインは変動が見られたが数日の経過で状態改善が見られた。発熱、炎症所見も次第に改善したため第9病日より食事を開始したが腹痛は見られなかった。第16病日にCFを施行し、直腸に全周性の潰瘍を認めた。便培養では特異的な所見はなく、直腸を主座とする虚血性大腸炎と診断した。再度絶食とし、潰瘍治療のために高圧酸素療法を併用した。第36病日より食事を再開し、第56病日CFを再検した。直腸潰瘍は改善しており、狭窄あるも鏡体通過は可能であり、外来で経過観察の方針となった。直腸は血流が豊富な部位であり、虚血性腸炎を来たすことは比較的稀であるが、一度発症すると重症化することも多いとされている。今回直腸を主座とする虚血性大腸炎の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 虚血性直腸炎, 虚血