セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研36:

術後化学療法で寛解が維持できた空腸癌の一例

演者 小嶌 明(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科)
共同演者 政 幸一郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 伸亮(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 鳥丸 博光(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 田代 光太郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 松田 彰郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 島岡 俊治(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 仁王 辰幸(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 新原 亨(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 嘉人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 堀 雅英(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 寛人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 田中 貞夫(公益社団法人鹿児島共済会南風病院病理診断科), 崎田 浩徳(公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科), 有留 邦明(公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科), 末永 豊邦(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科DELIMITER公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科)
抄録 症例は67歳男性。繰り返す腹痛、嘔吐にて2010年5月当院に救急搬送された。腹部CT検査にて小腸壁の肥厚とリンパ節腫大、多発肝転移を指摘され小腸癌が疑われた。ダブルバルーン小腸内視鏡検査にて上部空腸に管腔のほぼ全周を占める腫瘍を認め、病理組織検査にて高分化型腺癌の診断が得られた。当院外科にて原発巣に対して腹腔鏡補助下小腸切除術及び腸間膜リンパ節郭清を施行し、多発肝転移に対しては術後化学療法を行う方針とした。1st line治療としてS-1/CDDP療法を選択し、2クール終了後の胸腹部造影CTで肝転移巣はいずれも縮小が見られた。CDDPの副作用と思われる嘔気嘔吐が強く、その後はS-1内服のみで治療を継続。約1年後のCTでは多発肝転移巣はS7に線状の低吸収域が残存しているのみでその他は不明瞭となった。採血上もCEA、CA19-9は術前と比しそれぞれ68.3→9.1ng/ml 、1915.4→42.1U/mlと改善し現在PRを維持している。小腸腫瘍は全消化管腫瘍の約2%と低く、悪性腫瘍の割合が高い。悪性腫瘍は内視鏡的に切除不能であれば、外科的切除の適応となる。しかしながら小腸癌は早期発見が困難で、進行した状態で発見されることが多い。また、疾患頻度も少ないため、化学療法についても確立されていない。今回我々は、小腸癌及び肝転移を来たしていた症例に対し、小腸切除と術後化学療法を行い寛解維持ができた症例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 空腸癌, 亜イレウス