抄録 |
【症例】64才、女性。C型慢性肝炎(AST 781 U/L, ALT 1073 U/L, HCV RNA 3.8 Log IU/mL, genotype 2A, 肝組織 F1-2,A3)の診断で、2009年12月よりPEG-IFNα2aの単独療法を開始された。途中減量投与するも24週治療を完遂した。治療開始2週後にはHCV RNAは「検出せず」となり、以降、治療終了6ヵ月後までHCV RNAの陰性化が持続したため、SVRと判定した。その後もウイルス陰性化は続き、2011年6月(IFN終了13ヵ月後)までHCV RNAは検出されず、AST/ALTも正常値が持続していた。2011年7月5日頃より、全身倦怠感、右側腹部膨満感が出現。近医の採血でAST 1398 U/L, ALT 2013 U/L, ALP 560 U/L, T-Bil 2.8mg/dl,と肝障害を指摘され、7月12日より当院に入院となった。急性肝炎の原因検索を行ったところ、他の原因は否定され、HCV RNA 4.2 Log IU/mLとの結果であった。IFN療法後に輸血やその他の再感染を来たす機会はなく、genotype は2Aと治療前と同じ型であったため、C型慢性肝炎のSVR後の再発と診断した。【考察】SVR後に再発した症例報告は散見されており、SVR後も経過観察が必要であることを再認識した。 |