セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研02:関節リウマチに合併し自然退縮を認めた限局性結節性過形成の一例
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演者 |
山田 優里(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
共同演者 |
蓮池 悟(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 大園 芳範(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 平田 晶子(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 竹田 幸子(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 日高 舞(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 橋本 神奈(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 土持 舞衣(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山路 卓巳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 中村 憲一(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 安倍 弘生(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 三池 忠(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 楠元 寿典(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 岩切 久芳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山本 章二朗(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 永田 賢治(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
抄録 |
限局性結節性過形成 (FNH) は、正常肝に発生する良性の結節性病変であり、その原因として脈管・血流異常などが想定されている。今回我々は関節リウマチ患者に発症し、2年の経過で自然退縮したFNHの一例を経験したので報告する。症例は54歳男性、2009年4月に関節リウマチと診断された。腹部超音波検査で肝S8に径15mm大の結節性病変を指摘され当科に紹介された。血液検査ではAST 19,ALT 23, LDH 205, γGTP 33, ALP 236, CRP6.3, HBsAg(-), HBsAB(+), HCVAb(+), HCV-RNA(-),ANA 2560倍陽性、AFP 4.0, PIVKA-II 25. 腹部ダイナミックCTでは動脈相で濃染し、門脈・平衡相では等吸収となる20mm大の結節をみとめた。同結節はソナゾイド○Rをもちいた造影超音波検査では血管相で中心部から辺縁に向け染影され、20分後の後血管相では欠損像とならなかった。EOB-MRIでは早期濃染を認め、肝細胞相で周囲と等信号であった。血管造影検査・single level CTAでも中心から周囲への造影効果が広がっていった。あきらかな中心瘢痕像は認めなかったものの、以上の所見よりFNHと考え肝生検を施行した結果、細胞密度の増加・偽胆管様変化が著明であり、FNHに矛盾しない所見と考えられた。その後関節リウマチに対してはetanerceptの投与や白血球除去療法を行われ、症状・所見は改善した。FNHに関しては外来で腹部超音波検査経過を観察したところ次第に縮小し、診断から17か月めのMRIでは検出できないほどに縮小した。FNHは一般人口の0.6-3%に発生するとされるが、関節リウマチに発生した報告は我々が検索しえた限り認めなかった。またその退縮と、関節リウマチおよびその治療との関係は不明であるが、比較的まれな症例と考えられたので報告する。 |
索引用語 |
限局性結節性過形成, 関節リウマチ |