セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専22:B型慢性肝炎急性増悪と鑑別困難であった肝原発悪性リンパ腫の1例 |
演者 | 山崎 晃裕(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター) |
共同演者 | 福嶋 伸良(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 吉本 五一(同血液内科DELIMITER同臨床研究センター), 河邉 顕(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 吉本 剛志(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 国府島 庸之(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 水谷 孝弘(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 中村 吏(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 高岡 雄大(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 原口 和大(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 福田 慎一郎(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 岡本 梨沙(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 柿ケ尾 佳奈(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 森 大介(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 桃崎 征也(同病理部DELIMITER同臨床研究センター), 福泉 公仁隆(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 原田 直彦(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター), 中牟田 誠(独立行政法人九州医療センター消化器科DELIMITER同臨床研究センター) |
抄録 | 症例は35歳、男性。24歳時にB型肝炎と診断されたが、その後特に経過観察はされていなかった。2011年3月30日より倦怠感、頭痛が出現したため近医を受診。肝障害を指摘され4月4日当科紹介となった。来院時、T-Bil:2.6 mg/dl、AST:584 IU/l、ALT:1371 IU/l、LDH:725 IU/l、ALP:329IU/l、γGTP:676 IU/l、血小板:20.7万/μl、HBs抗原(+)、HBe抗原(+)、HBe抗体(-)、IgM-HBc抗体(-)、HBV-DNA:7.6 log copy/ml(PCR法)であり、B型慢性肝炎の急性増悪と診断し加療目的で入院となった。入院後行った腹部超音波で肝右葉に複数の5-10mm大の低エコー腫瘤を認めた。dynamic CTで同腫瘍は早期相から平衡相にかけて低吸収域として描出された。造影MRIでは造影効果は乏しく、肝細胞相で低信号であった。ソナゾイド造影超音波では、同腫瘍はVascular phaseでは淡く濃染され、Kupffer phaseでは欠損像を呈した。自然経過でtransaminaseは順調に低下したが、徐々に血小板数低下、LDHの上昇を認め、入院17日目には血小板:4.9万/μl、LDH:2179 IU/lとなった。sIL-2Rは2210 U/mlと高値であった。DIC、急性白血病、悪性リンパ腫、血球貧食症候群等の血液疾患の可能性が疑われ、4月21日肝腫瘍生検施行し、異型リンパ球の浸潤を認めた。同日、骨髄穿刺も施行し異型リンパ球のびまん性増殖を認めた。免疫染色ではCD20(+)、CD3(-)であり悪性リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma)と診断された。肝以外に明らかな病変は認めず、肝原発悪性リンパ腫と考えられた。その後、エンテカビル内服開始し、血液内科転科のうえR-CHOP療法を開始となった。肝原発悪性リンパ腫は稀な疾患であり、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 悪性リンパ腫, B型慢性肝炎 |