セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専71:放射線治療を行った直腸MALTリンパ腫の1例 |
演者 | 徳丸 佳世(飯塚病院消化器内科) |
共同演者 | 本村 廉明(飯塚病院消化器内科), 赤星 和也(飯塚病院消化器内科), 板場 壮一(飯塚病院消化器内科), 宜保 淳也 (飯塚病院消化器内科), 久保川 賢(飯塚病院消化器内科), 小森 圭司(飯塚病院消化器内科), 仲間 直崇(飯塚病院消化器内科), 山田 真梨子(飯塚病院消化器内科), 蓑田 洋介(飯塚病院消化器内科), 油布 祐二(飯塚病院血液内科), 福井 チナミ(福井クリニック) |
抄録 | 症例は59歳女性。高血圧にて近医通院中であった。下腹部痛、便秘を主訴に近医にて下部消化管内視鏡検査を施行したところ、直腸肛門直上に1.5cm大の腫瘤性病変を認めたためカルチノイドの疑いで当科に紹介となった。下部消化管内視鏡検査にて直腸(Rb)後壁歯状線直状に約2cm大の立ち上がり比較的急峻な粘膜下腫瘍を認めた。弾性軟で緊満感あり、表面に毛細血管が目立つものの潰瘍形成は認められなかった。EUSでは第2層から3層深層に主座を置く低エコー腫瘍として描出された。生検病理組織像では、著明な小型~中型リンパ球の浸潤を認め、免疫染色にてCD20、bcl2陽性、CD3、CD5、CD10陰性であり、MALTリンパ腫と診断した。PETやCTにて直腸以外の病変を認めず、直腸に限局したMALTリンパ腫(stageI)と考えられた。治療としてまずH.pylori除菌療法を試み、除菌は成功したが、除菌後約2ヶ月経過した時点で腫瘍はやや増大し、直腸違和感や血便も出現するようになった。病変が肛門直上であり外科的治療では、肛門温存は困難と判断されたため、次の治療として放射線治療(30Gy)を施行した。治療終了約2ヵ月後の内視鏡検査では、直腸の粘膜下腫瘍は完全に消失しており放射線治療は奏効したと考えられた。直腸MALTリンパ腫に対して、放射線治療が施行された報告は比較的少なく、若干の考察を加え報告する。 |
索引用語 | 直腸, リンパ腫 |