セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 101:留置した胆管メタリックステントが原因で持続性胆道出血を来し、メタリックステント追加留置により止血し得た膵頭体部癌の1例 |
演者 | 岩尾 梨沙(九州大学病態制御内科) |
共同演者 | 五十嵐 久人(九州大学病態制御内科), 李 倫学(九州大学病態制御内科), 内田 匡彦(九州大学病態制御内科), 肱岡 真之(九州大学病態制御内科), 新名 雄介(九州大学病態制御内科), 藤森 尚(九州大学病態制御内科), 中村 太一(九州大学病態制御内科), 大野 隆真(九州大学病態制御内科), 高柳 涼一(九州大学病態制御内科), 伊藤 鉄英(九州大学病態制御内科) |
抄録 | 背景:膵癌などによる中下部悪性胆道閉塞に対しては、内視鏡的胆道ステンティングが第一選択とされている。メタリックステント(MS)とプラスチックステントを用いた最近の比較試験では、MSで有意に開存期間が長いことが示された。しかしMSに伴う様々な合併症も報告されてきている。今回、coverd MS(CMS)留置の合併症として胆道出血を経験したので報告する。症例:64歳女性。平成22年7月中旬に、膵頭部腫瘍に伴う閉塞性黄疸に対し、胆管CMS (8mmx6cm WallFlex covered stent)を留置された。精査の結果、切除不能局所進行膵癌と診断され、当科にて同年9月下旬から11月上旬までS-1併用放射線化学療法を施行。終了後S-1単独化学療法(100mg/day)を継続し、腫瘍評価はSDで経過していた。平成23年7月上旬頃より心窩部痛、ふらつきを自覚。血液検査でHb 7.2 g/dLと高度の貧血を認めたため、上部消化管内視鏡検査を施行したところ、MS断端に赤色凝血塊の付着を認めた。胆管出血が疑われたため同日緊急入院とし、再度ERCPを施行。CMS内から活動性の出血が持続していた。バルーンによる圧迫止血などが無効であったため、CMS内へ新たにCMS(8mmx8cm WallFlex covered stent)を留置したところ止血が得られた。出血の原因としては、留置されていたCMSが胆管軸に沿わず立ってきてkinkしていたことなどが考えられた。その後、再出血はなく経過し、現在も外来でS-1化学療法継続中である。考察:MS留置による合併症としては、胆嚢炎、膵炎、逸脱、kinkなどが報告されているが、出血は比較的稀である。今回我々は、膵頭体部癌に対し放射線化学療法後、化学療法継続中に、胆管CMSより出血を来し、CMS追加留置により止血し得た1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 胆管ステント, 胆管出血 |