セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専66:蛋白漏出性胃腸症を契機に発症したSLEの一例 |
演者 | 田端 そうへい(琉球大学医学部附属病院第一内科) |
共同演者 | 橋岡 寛恵(琉球大学医学部附属病院第一内科), 上 若生(琉球大学医学部附属病院第一内科), 伊良波 淳(琉球大学医学部附属病院第一内科), 武嶋 恵理子(琉球大学医学部附属病院第一内科), 知念 寛(琉球大学医学部附属病院第一内科), 岸本 一人(琉球大学医学部附属病院第一内科), 外間 昭(琉球大学医学部附属病院第一内科), 金城 渚(琉球大学医学部附属病院光学医療診療部), 金城 福則(琉球大学医学部附属病院光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大学医学部附属病院第一内科) |
抄録 | 症例は生来健康な15歳女性。2011年6月に顔面の浮腫と視力低下が出現。当院眼科を受診し毛様体浮腫を指摘されたが、原因は不明であった。血液検査および尿検査にて血小板減少、低アルブミン血症、抗核抗体陽性、蛋白尿を認め、また7月より1日2~3行の下痢も認めるようになったため、精査加療目的に当科紹介入院となった。入院後、光線過敏症、胸膜炎等の臨床症状および抗ds-DNA抗体陽性、血小板減少、腎障害、抗核抗体陽性等の検査成績を認め、SLEと診断した。また上部消化管および小腸内視鏡検査では明らかなびらんや潰瘍性病変は認められなかったが、蛋白漏出シンチで胃~回腸に一致する著明な集積像を認め、SLEに伴う蛋白漏出性胃腸症と診断した。ステロイドミニパルス(メチルプレドニゾロン500mg/日を3日間)後、プレドニン50mg/日内服による治療を開始後、下痢および浮腫は速やかに改善し、胸膜炎に伴う胸水も消失し、視力も改善した。検査所見上も血小板数,アルブミンの上昇および、抗ds-DNA抗体の低下を認めた。臨床症状および検査所見をみながら2~3週間毎にプレドニゾロンを漸減し、8月中旬には30mgまで減量したが、特に症状の再発は認めず蛋白漏出シンチでも消化管からの蛋白漏出もほとんど認められなくなったため退院とした。蛋白漏出性胃腸症の基礎疾患としては様々な疾患が挙げられるが、近年膠原病に伴うものが散見される。今回、蛋白漏出性胃腸症を契機に発症したSLEの一例を経験したことから、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | SLE, 蛋白漏出性胃腸症 |