セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専37:胃神経内分泌細胞癌の一例 |
演者 | 濱田 匠平(別府医療センター消化器内科) |
共同演者 | 武藤 庸一(別府医療センター消化器内科), 酒井 浩徳(別府医療センター消化器内科), 良永 雅弘(別府医療センター消化器内科), 鶴田 悟(別府医療センター消化器内科), 杣田 真一(別府医療センター消化器内科), 松尾 亨(別府医療センター消化器内科), 崎山 祐美子(別府医療センター消化器内科), 吉河 康二(別府医療センター消化器内科), 楠本 哲也(別府医療センター消化器内科), 廣重 彰二(別府医療センター消化器内科), 中村 和彦(九州大学病院病態制御内科) |
抄録 | 症例は71歳男性。主訴は倦怠感、心窩部痛。既往歴は20歳のとき鼠径ヘルニアで手術、25歳時に急性虫垂炎で手術、62歳時に低分化型の胃癌の診断で腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行されている。近医で胃病変を指摘され、当院紹介、精査目的に入院となった。入院後上部消化管内視鏡検査を施行し、胃体上部小弯に周堤を伴う不整な潰瘍性病変を認めた。同部からの生検は粘膜固有層にクロマチンに富む円形核と好酸性胞体を持つ癌が充実性胞巣を作り浸潤している像であり、酵素抗体法ではalpha-feto protein、synaptophysinは陰性であり、chromograninA、CD56が陽性であり、神経内分泌細胞癌と診断した。腹部造影CTでは胃の背側のリンパ節腫大と肝外側区域に径67mmの内部不均一に造影される腫瘍を認めた。以上より、肝転移、リンパ節転移を伴う胃神経内分泌細胞癌と診断した。経過中に肝転移巣の急速な増多を認め、その後化学療法を行った。胃原発の神経内分泌細胞癌はまれであり、予後不良とされている。従来通常型低分化充実型腺癌と診断されている症例の中にも神経内分泌マーカー陽性を示す神経内分泌細胞癌が含まれていると言われている。今回我々は胃原発の神経内分泌細胞癌の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 胃癌, 胃神経内分泌細胞癌 |