セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専79:

直腸カルチノイドの内視鏡的治療の検討

演者 山崎 明(熊本赤十字病院 消化器科)
共同演者 北田 英貴(熊本赤十字病院 消化器科), 松山 桃子(熊本赤十字病院 消化器科), 佐々木 彰子(熊本赤十字病院 消化器科), 泉 良寛(熊本赤十字病院 消化器科), 宮崎 修(熊本赤十字病院 消化器科), 溝部 典生(熊本赤十字病院 消化器科), 浦田 孝広(熊本赤十字病院 消化器科), 南 信弘(熊本赤十字病院 消化器科), 竹熊 与志(熊本赤十字病院 消化器科), 一二三 倫郎(熊本赤十字病院 消化器科)
抄録 【背景】直腸カルチノイドは、腫瘍径が10mm以下の症例では内視鏡的切除が推奨されているが、治療方法のコンセンサスは確立されていないのが現状である。【目的】当院における直腸カルチノイドの内視鏡的治療成績を検討する。【対象・方法】2001年1月から2011年7月までに当院で内視鏡的治療を行った直腸カルチノイド31例を(1)全体(2)サイズ別(3)深達度別(4)内視鏡的治療手技別に断端陽性率を検討した。また、追加外科手術を施行した10例の(5)遺残の有無(6)リンパ節転移の有無について検討した。【結果】(1)内視鏡治療全体の断端陽性率:41.9%(13/31)、(2)サイズ別断端陽性率:1-5mm未満 18.8%(3/16)、5-10mm未満 61.5%(8/13)、10mm以上 100%(2/2)、(3)深達度別断端陽性率:m 0%(0/1)、sm 41.4%(12/29)、mp100%(1/1)、(4)内視鏡手技別断端陽性率:通常EMR法 100%(4/4)、ESD法 50%(7/14)、吸引法 15.4%(2/13)、(5)追加外科手術施行9例(局所切除7例、リンパ節郭清を伴う外科切除2例)に遺残なし。(6) 追加外科手術施行10例中2例にリンパ節転移を認めた(4mm sm ly(-)v(+)、10mm mp ly(-)v(-) )。【結論】通常EMR法は腫瘍径に関わらず断端陽性率が高く、ESD法も5mm以上の場合非常に高率であった。吸引法における断端陽性率は、通常EMR法やESD法よりも有意に低く、10mm以下の直腸カルチノイドに対する内視鏡治療法として最も有用と考えられた。10mm以上のカルチノイドに対しては、原則として外科的手術を初回治療として検討する必要があると考えられた。腫瘍径が4mmの病変でもリンパ節転移を来しており、例え微小な病変であっても、内視鏡治療を施行する際には十分なICを行う必要がある。
索引用語 直腸, カルチノイド