セッション情報 | ワークショップ6「難治性肝胆膵疾患に対する治療」 |
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タイトル | WS6-08:科における膵石合併慢性膵炎に対する治療検討 |
演者 | 沖本 忠義(大分大学消化器内科) |
共同演者 | 平下 有香(大分大学消化器内科), 安部 高志(大分大学消化器内科), 中川 善文(大分大学消化器内科), 内田 政広(大分大学消化器内科), 水上 一弘(大分大学消化器内科), 兒玉 雅明(大分大学消化器内科), 村上 和成(大分大学消化器内科), 藤岡 利生(大分大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】慢性膵炎の合併症である膵石症は、急性膵炎や腹痛を繰り返し引き起こし、内科的治療に抵抗性であることがしばしば認められる。近年膵石症に対してESWL併用内視鏡治療が多くの施設で行われている。今回、当科でのESWLを用いた膵石治療成績について報告する。【対象と方法】当科では1995年から現在まで59症例に対してESWLを行っている。今回このうち2002年12月から2011年7月までにESWLを施行した37症例(33名)について検討を行った。年齢は、35-80歳。男性29名、女性4名。アルコール性28名、非アルコール性5名。膵石の大きさは5-60mm。膵石の部位は頭部73%、体部18%、尾部9%。ESWL施行理由は膵炎55%、疼痛27%、膵機能維持18%であった。【成績】治療方法はESWL単独が89%(33/37)、内視鏡的採石術併用が11%(4/37)。ESWLによる結石破砕効果(結石が3mm以下に破砕)は70%(26/37)、結石消失効果はESWL単独で30%(10/33)、内視鏡的採石術併用が75%(3/4)であった。主膵管拡張の改善は63%(15/24)で認められ、症状緩和効果は全例で認められた。合併症は、膵炎、胆管炎、激しい腹痛、膵仮性嚢胞内出血、バスケット嵌頓であった。再入院治療を必要とした症例は27%(9/33)、再度ESWLを施行した症例は12%(4/33)、1例にFrey手術を施行された。再発はすべてアルコール性であった。今回の33症例では膵癌の発生は認めなかった。【考察】ESWL単独での結石消失は困難であるが、破石により症状緩和は全例に認められ、慢性膵炎の症状緩和に対する有効な治療法である。膵癌予防に関する検討は今後の長期観察が必要である。 |
索引用語 | 膵石, ESWL |