セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専02:

眼球摘出から7年後に多発肝転移を来たした脈絡膜悪性黒色腫の一例

演者 井上 和彦(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 熊谷 公太郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 最勝寺 晶子(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 呉 建(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 真(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【はじめに】悪性黒色腫は極めて予後不良な疾患で、早期に転移を来たすことが知られている。その一方で遅発性再発の報告例もあり、脈絡膜悪性黒色腫の場合、最長26年後に全身転移を来たした症例も報告されている。今回我々は、眼球摘出から7年後に多発肝転移を来たした脈絡膜悪性黒色腫の一例を経験したので報告する。【症例】82歳女性。2004年7月に脈絡膜悪性黒色腫に対して右眼球摘出術を行われた。以後、近医眼科にて経過観察され、2011年6月に左老人性白内障に対し水晶体再建術を行われた際、脈絡膜悪性黒色腫術後の全身精査目的に腹部CTを施行された。肝両葉に数mm大の結節を多発性に認め、さらにダイナミックCT、EOB-MRI所見および腫瘍マーカーである5-S-CDが23.9 nmol/Lと上昇していたため、脈絡膜悪性黒色腫の多発肝転移と診断した。肝腫瘍狙撃生検はサイズが小さいことや播種のリスクを考え、施行しなかった。全身精査の上、原発巣は再発なく、転移巣は肝のみであった。年齢、転移巣が肝に限局していたことから、肝動注化学療法を行う方針とした。2011年8月、CDDPを用いて肝動注化学療法を行い、5-S-CDは8.2 nmol/Lと改善を認めた。【考察】脈絡膜悪性黒色腫に対する右眼球摘出術7年後に多発肝転移を来たし、肝動注化学療法を行った。悪性黒色腫の肝転移巣に対して肝動注化学療法を行った報告例はあり、良好な治療効果が得られているものもあり、本症例も長期予後が期待される。
索引用語 悪性黒色腫, 肝転移