セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専09:

多発肝転移を伴う直径2mmの盲腸神経内分泌腫瘍(カルチノイド)の一例

演者 田淵 雅裕(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 熊谷 公太郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井上 和彦(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 最勝寺 晶子(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 呉 建(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 真(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【はじめに】大腸神経内分泌腫瘍は直腸に多く発生し、結腸に発生する例は比較的まれである。また一般に直径10mm以下の消化管神経内分泌腫瘍は良性と考えられている。今回我々は、直径2mmの盲腸原発神経内分泌腫瘍から多発肝転移を来たした症例を経験したので、報告する。【症例】62歳女性。2011年3月に子宮頸癌を指摘され、近医産婦人科に入院。全身精査にて肝内に多発結節を認め、肝腫瘍狙撃生検を行った。組織所見は腺癌の診断で、CEA高値であったため、消化器癌からの肝転移が疑われ、当科にて下部消化管内視鏡検査を行った。その際、盲腸にφ2mmのIsポリープを認め、生検にて神経内分泌腫瘍(カルチノイド)を指摘された。前医の肝腫瘍狙撃生検所見も再評価し、神経内分泌腫瘍と診断され、肝内多発病変は盲腸神経内分泌腫瘍からの多発肝転移と考えられた。肝内病変は計3か所あり、RFA、PEITにて局所療法を行い、原発の盲腸病変はESDにて一括切除した。ESD後の切除標本では静脈浸潤(v1)を認め、転移を来たしうる所見であった。【考察】本症例は盲腸のポリープ、肝内の多発結節を生検することで診断できた。盲腸の神経内分泌腫瘍もまれで、直径2mmにも関わらず、静脈浸潤、多発肝転移を来たした。従って、直径10mm以下であっても生検所見や切除標本にて脈管浸潤が指摘される場合には、全身精査が必要と考える。
索引用語 神経内分泌腫瘍, 肝転移