セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研09:繰り返す腹腔内出血に対して肝動脈塞栓術が奏功した肝血管肉腫の1例 |
演者 | 南原 翔(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科) |
共同演者 | 戸次 鎮宗(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 長岡 進矢(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 釘山 有希(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 福島 真典(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 橋元 悟(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), はい 成寛(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 大谷 正史(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 佐伯 哲(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 阿比留 正剛(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科), 小森 敦正(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 成毛 有紀(長崎医療センター 臨床検査科病理), 伊東 正博(長崎医療センター 臨床検査科病理DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 佐久川 貴行(長崎医療センター 放射線科), 溝脇 貴志(長崎医療センター 放射線科), 石丸 英樹(長崎医療センター 放射線科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 松岡 陽治郎(長崎医療センター 放射線科), 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター), 石橋 大海(国立病院機構長崎医療センター 肝臓内科DELIMITER長崎医療センター 臨床研究センター) |
抄録 | 症例は79歳、男性。主訴は食思不振、倦怠感、下肢の浮腫。20歳代から日本酒2, 3合/日の飲酒歴があり。塩化ビニルモノマー、トロトラストなどの暴露歴はない。20XX年、近医にてアルコール性肝硬変による腹水、下腿浮腫と診断され当院紹介入院となる。入院時Hb:7.5g/dlと貧血を認めた。T-Bil:2.2mg/dl、 Alb:3.2g/dl、PT:62.2%、HBsAg(-)、HCV-Ab(-)、AFP、PIVKA-2、CEAの上昇は認めなかった。第3病日造影CTにて肝右葉全体を占める多血性腫瘍性病変を認め、腫瘍内出血、遅延濃染を伴っていた。また高濃度の腹水を認めたため、腫瘍からの腹腔内出血による貧血進行と判断した。画像所見も合わせ、肝原発悪性腫瘍の中で稀ではあるが肝血管肉腫が疑われた。第4病日に肝動脈塞栓術(TAE)を行ない、その後Hbの上昇を認めた。第10病日腫瘍生検施行、紡錘形細胞の増殖、毛細血管増生、内皮細胞の腫大を認めた。免疫染色でCD34が陽性、CD31は陰性であったが、画像所見・臨床所見から総合的に肝血管肉腫と診断した。 第33病日ショック状態で救急搬送となり、CTにて再出血を認めたため、再度TAEを施行し退院となった。 第57病日に肝腎不全にて永眠された。肝血管肉腫は肝原発悪性腫瘍の約1.8%と比較的稀な疾患であり、きわめて予後不良とされている。若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 肝血管肉腫, TAE |