セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 092:C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療著効19年後に肝細胞癌を発症した一例 |
演者 | 織部 淳哉(大分大学 総合内科第一講座) |
共同演者 | 吉原 光江(大分大学 総合内科第一講座), 所 征範(大分大学 総合内科第一講座), 遠藤 美月(大分大学 総合内科第一講座), 本田 浩一(大分大学 総合内科第一講座), 清家 正隆(大分大学 総合内科第一講座), 吉松 博信(大分大学 総合内科第一講座) |
抄録 | 【症例】72歳男性。1992年にC型肝炎の診断でインターフェロン(IFN)治療を近医にて施行されウイルスは陰性化した。その後フォローされていなかったが、2009年よりCOPDのため当院呼吸器内科にて加療されるようになり、2011年2月にスクリーニング目的で施行した超音波検査にて肝S8に9.5mm程度の低エコー腫瘤を指摘され、精査加療目的にて2011年3月22日に当科に入院した。3月23日に血管造影を施行し肝S8にCTHAで濃染し、CTAPで欠損像を呈する10.3mmほどの腫瘍を認め、HCCと診断しTACEを行った。その後RFAを施行し、腹部CTで良好な焼灼範囲を確認した後に退院した。以後、外来でフォローアップされているが、明らかな再発なく経過している。【考察】近年、IFN治療によりSVRを達成したにも関わらずHCCを発生したC型慢性肝炎の報告が集積されつつあり、SVR後10年以上経過した発癌例も本邦で10数例報告されている。今回の症例はSVR後19年経過して発癌した症例であり、我々が検索しえた中では最も長い経過で発癌した症例と考え報告した。文献的考察によると、男性、50歳以上、肝硬変などがSVR後の肝細胞癌の発生の危険因子と報告されており、本症例は肝硬変症例ではないものの、その他の点はこれに合致する。また、長期間にわたる飲酒歴(2合/日)があり、発癌に関与している可能性があると考えられた。このような症例ではSVRが得られたとしても長期的に経過観察を行う必要があると考えられた。当院および当院関連施設でのSVR後発癌症例の検討と文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | SVR, 肝細胞癌 |