セッション情報 一般演題

タイトル 149:

胆嚢十二指腸瘻の自然閉鎖を確認しえた胆石性イレウスの1例

演者 白石 良介(嬉野医療センター 消化器科)
共同演者 藤瀬 剛弘(佐賀大学 消化器内科), 福田 浩子(嬉野医療センター 消化器科), 福田 祥子(嬉野医療センター 消化器科), 大座 紀子(嬉野医療センター 消化器科), 有尾 啓介(嬉野医療センター 消化器科), 角川 淑子(嬉野医療センター 消化器科), 綱田 誠司(嬉野医療センター 消化器科)
抄録 【症例】52歳女性【主訴】腹痛【現病歴】2011年5月、臍周囲の痛みのため近医を受診し急性腸炎の診断で内服加療を行うも改善なし。腹部エコーで胆石を認めたため急性胆嚢炎の疑いで当科紹介受診となった。【既往歴】甲状腺機能亢進症【入院時現症】発熱なし。臍周囲に圧痛あり。筋性防御や反跳痛なし。【血液検査所見】白血球12,800、総ビリルビン1.6mg/dl、AST 56IU/L、ALT 48IU/L、ALP 256IU/L、CRP 0.8mg/dl【画像所見】腹部CTで胆嚢内ガス像と小腸に嵌頓した結石像、同部より口側腸管の拡張を認めた。【治療経過】画像所見より胆石イレウスと診断し、イレウス管を挿入して保存的に加療した。症状は次第に改善しCTで胆石は大腸へ移動し排出されたことを確認した。第8病日に上部消化管内視鏡検査を施行したところ胆嚢十二指腸瘻を認め胆汁の流入を確認した。以降、経過良好で第10病日に退院となった。退院から2カ月後の上部消化管内視鏡検査で胆嚢十二指腸瘻の自然閉鎖を確認した。【考察】近年、胆嚢十二指腸瘻による胆石イレウスの報告は増えており、イレウス解除や胆嚢摘出、瘻孔閉鎖術といった外科的治療がなされた報告が多い。一方で、本症例のように保存的加療で軽快し胆嚢十二指腸瘻は自然閉鎖したという報告もあり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆石, イレウス