セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 030:術後10年目に肝転移で再発した胃癌の1例 |
演者 | 桑代 卓也(医療法人ロコメディカル 江口病院) |
共同演者 | 小野 尚文(医療法人ロコメディカル 江口病院), 江口 尚久(医療法人ロコメディカル 江口病院), 江口 有一郎(佐賀大学医学部内科学), 水田 敏彦(佐賀大学医学部内科学) |
抄録 | 症例は71歳女性.2000年に胃癌の診断で胃全摘出術を施行され,Billroth-I法で再建された.2010年8月に近医眼科で糖尿病網膜症を指摘され、近医内科紹介され糖尿病治療を行われていた.2010年8月,CEA 2.4ng/mlであったのが,2011年3月には11.4ng/mlまで増加した.上部消化管内視鏡,下部消化管内視鏡検査では腫瘍性病変みられず,腹部超音波検査で肝内に多発高エコー結節を認め,精査のため当院を紹介された.腹部超音波検査で肝右葉に境界明瞭な10mm~20mmの高エコー結節を4カ所認め,同部は造影CTで明瞭な濃染を認めなかった.EOB-MRIでは同部はT2高信号,T1低信号で辺縁は比較的明瞭で,造影早期で結節辺縁に濃染を認めた.PET-CTでは同腫瘍に高集積を認め,その他の部位には集積は認められなかった.2011年7月に,肝腫瘍生検を施行し,病理結果はadenocarcinomaであった.現在化学療法継続中である.胃癌術後再発は1 年以内が最も多く,5 年以降の再発は全再発の8.6%,10 年以降は1% 未満と報告されている.腹膜播種での再発が40~63% と頻度が高く,以下血行性転移(32~54%),局所再発(14~22%),リンパ節再発(9~12%)の順である.本症例は,術後10年経過して肝転移で再発した稀有な症例と考えられたため,若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 胃癌, 肝転移 |