セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
054:CTで腸重積様の形態を呈した横行結腸低分化癌の一例
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演者 |
川上 俊介(長崎記念病院外科) |
共同演者 |
北島 知夫(長崎記念病院外科), 水谷 明正(長崎記念病院外科), 塩竈 利昭(長崎記念病院外科), 福井 洋(長崎記念病院外科) |
抄録 |
【患者】83歳女性。【主訴】左上腹部腫瘤触知【既往歴】胆嚢摘出術および胃癌で幽門側胃切除術の既往あり。喫煙歴あり。【現病歴】平成23年3月より認知症周囲症状および糖尿病にて精神科施設入所中。最近、下肢浮腫と貧血が出現。左上腹部腫瘤が判明して当科紹介。【初診時現症】自覚症状無く、食欲良好で排便障害無し。左上腹部に手拳大の可動性不良な腫瘤を触知したが腹痛や圧痛無し。血液検査で鉄欠乏性貧血、低蛋白血症を認めたが肝腎機能正常であり、腸管虚血を示唆する所見無し。腫瘍マーカー正常。造影CTで、左上腹部残胃尾側に最大径10cmのTarget signおよび造影効果を呈する腫瘤あり、横行結腸との連続性から横行結腸由来の腫瘍による腸重積状態と診断。同日の大腸内視鏡検査で横行結腸内腔に表面顆粒状の隆起性病変を確認したが全体像の把握や内視鏡の口側への挿入は不可能。粘膜色調は概ね正常で、重積腸管は確認できず。肛門側結腸に便汁流出を認め完全閉塞を否定。腫瘍の生検結果はGroup5で横行結腸癌と診断。【経過】入院後もイレウス症状はなく排便が見られたため緩下剤、整腸剤を投与したが、通常の術前処置を行った。全身麻酔で横行結腸部分切除、D2リンパ節郭清施行。術後経過は良好であった。【結果】術中所見 [T、circ、1型、SS、N0、H0、P0、M0、StageII、PM0、DM0、RM0、R0、CurA] 切除標本では、全周性の隆起性病変を認め、典型的な腸重積の形態は認めず、腫瘍により拡張した肛門側腸管に口側腸管、腹膜・腹直筋後鞘が巻き込まれ陥入し、腸重積状の外見を呈したと考えた。病理検査結果は深達度ss、ly1、v0、n0の低分化型腺癌であった。 |
索引用語 |
結腸重積, 結腸癌 |