セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 074:当科で経験した劇症肝炎の7例 |
演者 | 最勝寺 晶子(鹿児島大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 森内 昭博(鹿児島大学病院 消化器内科), 大野 香織(鹿児島大学病院 消化器内科), 小田 耕平(鹿児島大学病院 消化器内科), 今中 大(鹿児島大学病院 消化器内科), 熊谷 公太郎(鹿児島大学病院 消化器内科), 玉井 努(鹿児島大学病院 消化器内科), 宇都 浩文(鹿児島大学病院 消化器内科), 桶谷 眞(鹿児島大学病院 消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学病院 消化器内科), 坪内 博仁(鹿児島大学病院 消化器内科) |
抄録 | 【背景】近年、本邦における劇症肝炎の推定発生数は減少しているとされているが、依然として内科的治療での救命率は低く、肝移植に至る例は限られ、難治性肝疾患として重要である。今回、最近5年間に当科で経験した劇症肝炎について、その臨床的特徴を報告する。【対象】2006年8月1日以降に当科に入院した、劇症肝炎患者7例。平均年齢47.4歳(21-70歳)、男性:4例、女性:3例。【結果】7例全例が劇症肝炎亜急性型で、成因はHBV:2例(de novo B型肝炎を含む)、薬物性:3例、成因不明:2例であった。治療は高齢のため積極的治療を希望しなかった1例を除いて6 例で血漿交換と持続血液濾過透析を併用した。また、HBV関連にはエンテカビル、薬物性と成因不明例にはステロイドパルス療法を施行したが、内科的治療のみでの救命例は無かった。脳症発現時の検査成績を現在の肝移植ガイドラインに照らすと8点:1例、7点:3例、6~4点:それぞれ1例であり、6例(86%)が移植適応基準を満たしていた。生存例は3例で全例生体肝移植実施例であった。移植例は若年で、いずれも脳症発現2日以内に移植可能施設に転院し、転院後2日以内に肝移植が施行されていた。死亡例は全体に高齢で、悪性腫瘍の合併や感染症等で移植は検討されなかった。【考察】当科で経験した劇症肝炎はいずれも亜急性型であり、急性型は周辺施設で転帰を迎えているか、移植可能施設へ直接搬送されていると考えられた。内科的治療での救命例は無く、県内に移植可能施設の無い当院では、移植の適応を早期に決定する必要があり、移植例における劇症化後の在院期間は2日以内と極めて短期間であった。 |
索引用語 | 劇症肝炎, 肝移植 |