セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研01:

C型慢性肝炎に晩発性皮膚ポルフィリン症を合併した1症例

演者 赤嶺 摩依(長崎大学病院医療教育開発センター)
共同演者 久保田 陽子(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 加茂 泰宏(長崎大学病院消化器内科), 山口 東平(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 富田 元(長崎大学病院皮膚科・アレルギー科), 鳥山 寛(日本赤十字社長崎原爆病院病理部), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科)
抄録 【症例】52歳男性。20歳時にA型急性肝炎の既往あり。家族歴は母が糖尿病、劇症肝炎、父が糖尿病、高血圧症。生活歴は飲酒歴あり、喫煙歴あり。若年時から高血糖を指摘されていたが放置していた。40歳時に近医で2型糖尿病、C型慢性肝炎と診断され、加療を開始された。その時すでに糖尿病網膜症、腎症を合併していた。2010年6月頃から皮疹が上肢に出現し徐々に全身に拡大し水疱形成を伴ってきたため、同年7月に当院皮膚科を受診し入院となった。水疱性類天疱瘡を疑われ、プレドニゾロン内服による治療を開始し、数日間で水疱形成は消失した。その後、尿中ウロポルフィリンが高値であることが判明し、血清フェリチン高値、長波長紫外線による尿の変色を認め、晩発性皮膚ポルフィリン症と診断された。遮光と禁酒の指導を行われ、プレドニゾロンは漸減中止し退院となった。遮光と禁酒の指導を行われ、プレドニゾロンは漸減中止し退院となった。同年9月当科紹介となり、HCV血清型は1型、HCV-RNA定量は5.1logIU/ml、腹部CT、腹部超音波検査では肝は慢性肝炎パターンを呈し、肝細胞癌の合併は見られなかった。肝組織所見では、慢性肝炎(F2A2)、肝組織にポルフィリンの沈着が確認されC型慢性肝炎に合併した晩発性皮膚ポルフィリン症に矛盾しない所見であった。その後も掻痒感を伴う皮疹は軽快、増悪を繰り返し、同年11月から皮膚科で瀉血療法を開始された。12月に糖尿病腎症の増悪により、当院腎臓内科で血液濾過透析を導入され、現在も維持透析を行っている。【考察】晩発性皮膚ポルフィリン症の発症にはHCV、アルコール、薬剤や鉄の過剰などの関与が示唆され、HCVが80-85%に高率に合併することが知られている。C型慢性肝炎の経過中に発症した晩発性皮膚ポルフィリン症を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 PCT, HCV