セッション情報 学生発表

タイトル 学04:

肝細胞癌に類似する画像所見を示した成人T細胞白血病リンパ腫の1例

演者 松永 峻(長崎大学病院 消化器内科)
共同演者 田浦 直太(長崎大学病院 消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院 消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院 消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院 消化器内科), 山口 東平(長崎大学病院 消化器内科), 久保田 陽子(長崎大学病院 消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院 消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学病院 消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院 消化器内科), 鳥山 寛(長崎原爆病院 病理部), 磯本 一(長崎大学病院 消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院 消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院 消化器内科)
抄録 【症例】63歳女性。家族歴特記事項無し、既往歴にSjogren症候群。2009年 体重減少、口渇感出現。2010年6月に近医受診され抗核抗体 2560倍、抗SS-A抗体 154とのことで、6月30日に当院リウマチ・膠原病内科紹介受診、 Sjogren症候群と診断された。また体重減少精査のため、腹部エコー施行、肝臓S8に8mm大、S5/6に径11mm大の低エコー域を、指摘され肝細胞癌を疑われ同年7月に精査目的にて当科紹介となる。検査結果は、HBs抗原・HCV抗体陰性、AFP 13.1ng/ml、PIVKA-II 13mAU/ml AFPL3 0% IL-2R 824U/ml。腹部造影CTでは、動脈相濃染・門脈相低吸収域の所見で、プリモビストMRIでも肝細胞造影相低信号、動脈相濃染、後期相低吸収域を、腹部造影エコーではソナゾイド血流相で濃染、クッパー相で欠損像を示した。肝細胞癌として矛盾しない画像所見であったため肝腫瘍生検を施行。肝細胞に異常なく、門脈域にCD4陽性の中型異型リンパ球の増殖を認め、末梢性T細胞リンパ腫との診断だった。HTLV-1抗体陽性及び組織所見より成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)と診断した。【考察】画像上、肝細胞癌との鑑別が困難なATLLによる節外性リンパ腫を経験したため報告する。謝辞:この症例の診断治療に御協力いただきました長崎大学病院血液内科の封馬秀樹先生、塚崎邦弘先生、久留米大学第2病理学教室の新野大介先生、大島 孝一先生にお礼申し上げます。
索引用語 成人T細胞白血病リンパ腫, 肝腫瘍