| セッション情報 | ワークショップ4「進行肝細胞癌の治療戦略」 |
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| タイトル | WS4-04:血中VEGFの変動はソラフェニブ治療における早期の効果予測因子となりうるか |
| 演者 | 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科) |
| 共同演者 | 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科), 久保田 陽子(長崎大学病院消化器内科), 山口 東平(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
| 抄録 | 【背景・目的】ソラフェニブは肝細胞癌に対し2009年5月より本邦で使用がみとめられた、VEGFを標的とするmultikinase inhibitorである。肝細胞癌患者のソラフェニブ治療におけるVEGF値の意義については、いまだ十分に明確になっているとは言えない。今回我々はこれらの症例における血漿中のVEGF値について検討をおこなった。【方法】当科において2009年5月から2010年3月までにソラフェニブ治療を導入された症例のうち、VEGFを治療開始前 (VEGF-pre)、治療開始1週後 (VEGF-1w) および治療開始4週後(VEGF-4w)に測定し、腫瘍縮小効果を判定しえた15症例を研究対象とした。 各VEGF値と腫瘍縮小効果、無増悪生存期間 (PFS)、その他臨床病理学的因子、各種検査値などとの関連を検討した。【結果】男/女;13/2例、年齢中央値70.0歳(43-88歳)、正常肝/慢性肝炎/肝硬変;1/4/10例、成因はHBV/HCV/NBNC;4/6/5例、Child-Pugh スコア 5/6/7;13/1/1例、治療開始時StageII/III/IVa/IVb;2/3/7/3例、ソラフェニブ初回投与量800mg/600mg/400mg;5/1/9例、最良治療効果PR/SD/PD;1/8/6。無増悪生存期間中央値は168日。生存期間中央値は評価できず。VEGF前値80(31-179)でStageとの相関はなかった。VEGF-preに比べVEGF-1Wは有意に上昇し、VEGF-1Wに比べVEGF-4Wは有意に低下した。しかしながら血中VEGF値やその変化と腫瘍縮小効果、PFSに現時点では関連性は明らかではなかった。【結語】VEGF値およびその変化と、腫瘍縮小効果、PFS、患者背景因子等に明確な関連はみられなかった。治療開始1週後においてはVEGF値は前値よりも上昇し、4週後にはそれよりも低下するという動きが明らかになった。さらに症例集積し検討中あり、報告する。 |
| 索引用語 | ソラフェニブ, VEGF |