共同演者 |
本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 松島 加代子(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 赤澤 祐子(長崎大学病院消化器内科), 塩澤 健(長崎大学病院消化器内科), 山口 直之(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
抄録 |
症例は50歳女性。 20XX年3月より心窩部圧迫感を自覚。5月に近医を受診し大腸内視鏡検査でS状結腸に4/5周の2型腫瘤をみとめ、同年5月に当院外科へ紹介となった。精査の結果S状結腸癌cStageIV, SS, N2, H3, PX, M1(肺)と診断された。下血をみとめ、また輸血拒否を信条としていたため、5月下旬に腹腔鏡補助下S状結腸切除術をおこなった。同年6月、化学療法目的で当科紹介となった。切除不能大腸癌に対し、1次化学療法としてCapeOX+Bevacizumab療法を開始した。手足皮膚症候群のため4コース目よりCapecitabineを1段階減量。神経障害が出現し増強してきたため。6コース目よりオキサリプラチンを減量し、8コース目にはオキサリプラチンをさらに減量した。画像診断による最良の抗腫瘍効果はStable Diseaseであった。20XX年12月頃より血小板減少が進行し、継時的な脾臓の増大をみとめていた。オキサリプラチンによる薬剤性肝障害が疑われ、化学療法変更の方針とした。細胞障害性の薬剤を休薬するため20XX+1年1月より2次化学療法としてPanitumumab療法を開始した。ざ瘡様皮疹をみとめたものの、皮膚科と連携し外用剤などにて改善した。腫瘍マーカーは良好に低下し、画像による最良の抗腫瘍効果は部分奏功を得た。20XX+1年5月頃より血小板減少に改善をみとめたため、20XX+1年6月よりCPT-11+Cetuximab療法を開始した。大腸癌化学療法を継続する上で障害となる有害事象を多数みとめ、それにより治療方針の組み立てを要し、治療に難渋したが示唆に富む症例と考えられ、報告する。 |