セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専53:慢性膵炎に対する成分栄養剤の効果と投与意義 |
演者 | 松村 圭一郎(福岡大学筑紫病院) |
共同演者 | 植木 敏晴(福岡大学筑紫病院), 川本 研一郎(福岡大学筑紫病院), 大塚 雄一郎(福岡大学筑紫病院), 簑田 竜平(福岡大学筑紫病院), 丸尾 達(福岡大学筑紫病院), 野間 栄次郎(福岡大学筑紫病院), 光安 智子(福岡大学筑紫病院), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院) |
抄録 | 【目的】慢性膵炎は非可逆性、進行性に生じる膵実質細胞壊死と線維化により、膵内外分泌機能の低下をきたす難治性の進行性疾患である。代償期、移行期、非代償期に分類され、急性増悪と緩解を繰り返すことにより病期は進行していく。そのため、代償期における臨床症状をコントロールすることが重要である。そこで、症状のある慢性膵炎に成分栄養剤が有効か否かを検討した。【方法】2009年9月から2010年7月までに当科外来を受診し、informed consentが得られ、成分栄養剤(エレンタール)を投与した症状を伴う代償期から移行期にある慢性膵炎6例(男性5例、女性1例)を対象とした。検討項目は1.症状(疼痛)の改善の有無、2.血中アルブミン値の変化、3.脂肪便の改善の有無である。尚、症状改善の評価にはVisual analog scale(VAS)を用いた。また、脂肪便の評価にはSudan3染色を用いて評価した。成分栄養剤を600kcal/dayで内服し、内服開始後12週で評価した。【結果】1.成分栄養剤を内服開始後にVASが2段階改善した場合を有効とすると3症例(50%)が有効であったが残り3症例は無効であった。2.血中アルブミン値は2症例(34%)が上昇し、2症例(34%)は変化がなく、1症例(17%)は低下した。3.成分栄養剤投与前から脂肪便が±であった症例が2例であった。残りの4症例中2症例(50%)は脂肪便の改善を認め、残り2症例(50%)は変化なかった。【結論】慢性膵炎患者の疼痛コントロールに対して成分栄養剤の内服は有効であった。 |
索引用語 | 慢性膵炎, 成分栄養剤 |