セッション情報 一般演題

タイトル 099:

肝神経内分泌腫瘍(G1、カルチノイド)の一例

演者 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科)
共同演者 大石 敬之(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科), 久保田 陽子(長崎大学病院消化器内科), 山口 東平(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科), 曽山 明彦(長崎大学病院移植消化器外科), 高槻 光寿(長崎大学病院移植消化器外科), 江口 晋(長崎大学病院移植消化器外科), 安倍 邦子(長崎大学病理部), 林 徳真吉(長崎大学病理部), 鳥山 寛(日本赤十字社長崎原爆病院病理), 奥平 定之(奥平外科医院)
抄録 【はじめに】神経内分泌腫瘍(G1、カルチノイド)は腺癌に比較すればslow growingな原腸由来の臓器から発生する腫瘍であり、肝原発はまれである。今回の症例を経験したので若干の考察とともに報告する。【症例】症例は 56歳の男性。主訴はなし。塵肺の検診で 2005年にエコー上肝腫瘤を指摘され、単純CTでも肝S7/8、S6/7、S2に低エコー結節を認め経過観察されていた。 2011年の腹部エコーで多発、増大傾向にあるのを指摘。精査加療目的に当院に紹介受診される。腫瘍マーカーの上昇を認めず、血液学的検査では異常を認めなかった。造影 CTでは肝両葉に多発する腫瘤像を認め、動脈相で肝実質と同程度からわずかに造影される病変を認めた。プリモビストMRIではT1W1 で低信号、T2W1で淡い高信号、DWIで高信号をしめした。腫瘍径の大きなものは比較的早期に輪状に増強され、後期相では全体が造影効果に乏しかった。腹部エコー上は高エコーの腫瘤と中心が低エコーを呈す像として観察された。確定診断のために肝腫瘍生検による組織診を行った。免疫染色の結果、クロモグラニン、シナプトフィジン陽性、CK19陽性、AE1/AE3 陽性で、神経内分泌腫瘍(G1カルチノイド)と診断した。腫瘍は肝右葉に1~4cmの大きさの腫瘍が14個、S4に8mm大の腫瘍を1個、左葉の外側区域に2cm大の腫瘍を1個認めた。背景肝はほぼ正常であったため、多発肝腫瘤であったが、肝右葉切除、肝外側区域部分切除とラジオ波焼灼療法による加療でコントロールは可能であると考え外科的加療を行った。【考察】神経内分泌腫瘍(G1カルチノイド)は画像上でもいくつかの比較的特徴的な所見も認める。嚢胞状変化を有することがあり、MRIではT1W1で低信号T2W1で高信号を示す場合が多い。
索引用語 神経内分泌腫瘍, 肝腫瘍