セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研21:保存的加療で軽快した孤立性上腸間膜動脈解離の2例 |
演者 | 生駒 沙枝子(慈愛会 今村病院 消化器内科) |
共同演者 | 大井 秀久(慈愛会 今村病院 消化器内科), 小野 陽平(慈愛会 今村病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 水流 弘文(慈愛会 今村病院 消化器内科), 徳元 攻(慈愛会 今村病院 消化器内科), 河野 裕一(慈愛会 今村病院 消化器内科), 鮎川 卓朗(慈愛会 今村病院 放射線科), 西田 博利(慈愛会 今村病院 放射線科), 井上 裕喜(慈愛会 今村病院 放射線科), 藤田 浩(慈愛会 今村病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 嵜山 敏男(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【はじめに】大動脈解離を伴わない孤立性の上腸間膜動脈(SMA)解離は比較的稀な疾患である.保存的加療で軽快する症例が多いとされているが,腸間虚血,壊死,瘤破裂を認めた場合は緊急手術の適応となる場合もあり,腹痛の鑑別疾患として重要である.今回当院で2例の孤立性上腸間膜動脈解離症例を経験したので報告する.【症例1】55歳,男性.2009年9月3日心窩部痛で発症.近医受診し腹部エコー検査(AUS),CT等施行するも診断つかず,対症療法で経過を見ていた.14日,症状増悪し他医受診.造影CTでSMA解離を認め,前医へ紹介入院となった. IVR目的に当院紹介されたが保存的加療を行う方針となり,数日で症状軽快した.退院後は外来で定期的な造影CTを行った.15ヵ月後の造影CTで,偽腔の消失を認めた.【症例2】64歳,男性.2011年7月24日,心窩部痛出現し近医を受診.鎮痛剤を投与されたが改善せず,同日前医を受診した.25日造影CTでSMAに偏在性の壁肥厚を認めSMA解離の偽腔閉鎖型と診断され当院紹介入院となった.保存的加療で腹部症状改善し27日食事開始した.8月5日,造影CTで内腔の狭小化と開存する偽腔が認められ,解離の悪化と判断.食事形態を5分粥に戻し,経過観察した.8月12日,造影CTで偽腔内の血栓化を認めた.その後食事形態を上げても腹部症状の出現なく,9月2日退院した.【考察】今回,孤立性上腸間膜動脈解離の2症例を経験した.2例とも造影CTで診断し,保存的加療で軽快した.本邦における孤立性上腸間膜動脈解離の報告は,医学中央雑誌で検索した範囲では1983年以降で70例程であり,自験例を加え,若干の文献的考察も併せて報告する. |
索引用語 | 上腸間膜動脈解離, 腹痛 |