セッション情報 一般演題

タイトル 122:

大腸癌肝転移症例におけるソナゾイド造影超音波検査と造影CT検査の比較検討

演者 大野 美紀(久留米大学医療センター消化器内科)
共同演者 田中 正俊(久留米大学医療センター消化器内科), 下瀬 茂夫(久留米大学医療センター消化器内科), 倉岡 圭(久留米大学医療センター消化器内科), 堀 まいさ(久留米大学医療センター消化器内科), 由谷 茂(久留米大学医療センター消化器内科), 原田 和徳(久留米大学医療センター消化器内科), 内田 信治(久留米大学医療センター外科), 緒方 裕(久留米大学医療センター外科), 山口 倫(久留米大学医療センター病理診断科), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門)
抄録 【目的】大腸癌症例に対する術前の肝転移検索として、通常は造影CT検査や造影MRI検査が行われる。一方、本邦で使用される超音波造影剤ソナゾイドは後期血管相においてクッパー細胞に取り込まれることにより、肝実質のエンハンス効果を示す特徴があり、クッパー細胞のない肝転移病変に対しては超音波検査の高い分解能と合わせて、病変拾い上げ精度の向上が期待される。そこで術前に造影CT検査とソナゾイド造影超音波検査を施行した症例に対して、肝転移の診断について比較検討したので報告する。【対象と方法】2010年4月から2011年6月に施行した大腸癌症例42例においてソナゾイド造影超音波検査と造影CT検査で描出したそれぞれの転移性腫瘍の数と腫瘍径を比較した。【結果】42症例のうち、11症例に肝転移を認めた。このうち腫瘍個数が多発で7個以上の症例は詳細な検討に不適当であると判断し、腫瘍個数6個以下の8症例で比較検討した。平均腫瘍個数は3個、平均腫瘍径は18X16mmであった。肝転移の最終診断は臨床経過による臨床診断と切除による病理診断で行った。肝転移の術前診断は造影超音波検査において感度、特異度、正診率は82%、100%、95%で、造影CT検査では73%、94%、88%であった。とくに腫瘍径10mm以下の結節に対する診断は造影超音波検査が有用で、造影CT検査では限局性脂肪化や動脈門脈シャントなどの血流変化による偽陽性が見られた。【結論】大腸癌における肝転移検索目的においては、造影超音波検査の方が造影CT検査よりも感度、特異度ともに優れており、特に小病変の拾い上げに有用であった。
索引用語 肝転移, 造影超音波