| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 071:間質性肺炎の治療中にde novo B型肝炎を発症したHBs抗体陽性HBVキャリアの1例 |
| 演者 | 小田 耕平(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学) |
| 共同演者 | 森内 昭博(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 最勝寺 晶子(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 熊谷 公太郎(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 呉 建(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 佃屋 剛(鹿児島大学 呼吸器内科学), 濱田 努(鹿児島大学 呼吸器内科学), 玉井 努(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 寒川 卓哉(鹿児島大学 呼吸器内科学), 宇都 浩文(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 眞(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 井上 博雅(鹿児島大学 呼吸器内科学), 坪内 博仁(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学) |
| 抄録 | 【はじめに】 2009年1月に「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」が発表され、de novo B型肝炎に対する啓蒙がすすめられている。今回、間質性肺炎に対してステロイドとシクロホスファミド投与中にde novo B型肝炎を発症したHBs抗体陽性HBVキャリアの1例を経験したので報告する。 【症例】 66歳、男性。2007年10月に間質性肺炎と診断された。2008年12月、間質性肺炎の急性増悪のため、当院呼吸器内科入院し、プレドニゾロン(以下PSL) 25 mg/日内服が開始された。その後、PSLは漸減されたがKL-6が軽度上昇したため、2009年5月からシクロホスファミド(CPA)が併用され、PSL 10 mg/日で維持されていた。2010年10月のALT 60 IU/lと軽度肝機能障害が認められ、同年12月の血液検査ではAST 623 IU/l、ALT 1036 IU/l、T-Bil 3.3 mg/dlと増悪を認めたため、精査加療目的に同日当科入院となった。 入院時検査でHBs抗原(+)/HBs抗体(-)、HBe抗原(-)/HBe抗体(+)、HBc抗体 11.68 S/O(+)、HBV-DNA 7.7 LogIU/lであった。HBc抗体 10超かつHBe抗体(+)であったため肝生検を施行したところ、門脈域の線維性拡大が認められた(A2F1)。保存血清の解析では、肝炎発症3年前(ステロイド開始15ヶ月前)にHBs抗原(-)/HBs抗体(+)、HBe抗原(-)/HBe抗体(+)、HBc抗体(+)、HBV-DNA(-)で、肝炎発症21ヶ月前はHBV-DNA<2.1未満(+)であり、HBVキャリアのHBs抗原/抗体系のセロコンバージョン例のde novo B型肝炎と診断した。当院入院後、エンテカビル内服開始したところ、肝機能障害・HBV-DNA量は速やかに改善したが、原疾患である肺炎が増悪し第35病日に永眠となった。 【結語】 HBs抗体陽性HBVキャリアにde novo B型肝炎を発症した1例を経験した。de novo B型肝炎におけるHBV既感染において、HBV急性感染の既往あるいはHBVキャリアのHBs抗原/抗体セロコンバージョン例の区別は難しいのが現状であり、これらが予後に関与しているか否かは今後検討すべき課題と考えられた。 |
| 索引用語 | de novo B型肝炎, 免疫抑制・化学療法 |