セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
---|---|
タイトル | 研42:多発性筋炎加療中に発症した門脈ガス血症を伴う小腸嚢胞様気腫症の一例 |
演者 | 安田 亮輔(久留米大学医学部附属病院臨床研究管理センター) |
共同演者 | 山崎 博(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 吉岡 慎一郎(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 小林 哲平(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 桑木 光太郎(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 長山 幸路(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 竹田津 英稔(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 光山 慶一(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学病院消化器病センター), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
抄録 | [症例]72歳 女性[主訴]腹痛 腹部膨満感 [現病歴]元来当院外来にて多発性筋炎、慢性心不全、心房細動、甲状腺機能低下症の加療中であり、多発性筋炎に対してはプレドニゾロン15mg/dayが投与されていた。以前より寛解増悪する腹痛、腹部膨満感を認めており昨年近医にて精査(上下部消化管内視鏡検査、カプセル内視鏡検査等)を施行するも原因不明であり引き続き外来にて経過観察されていた。本年7月より再度腹部膨満感が出現し、徐々に食欲低下、腹痛が出現したため当院消化器病センターを受診。一旦外来観察となるも同日夜間腹痛増悪し緊急入院となる。 [経過]入院時腹痛、腹部膨満を認めるも腹膜刺激症状は認めなかった。腹部レントゲンにて著明な腸管ガス像を認め、腹部CTでは小腸広範囲に壁内ガス像と後腹膜気腫、門脈内ガスを認めた。門脈内ガスの存在から腸管壊死が疑われたが、腹部所見、血液ガス及び血液生化学検査にて腸管虚血を疑う所見がなく保存的加療が可能であると判断し絶食、抗生剤投与を開始。また酸素療法に関しては当初高圧酸素療法は行わず、経鼻カニューラにて一日6時間5L/min投与を開始した。治療開始翌日より腹部症状や腸管ガス像は徐々に改善し、2週間後の腹部CTでは門脈ガス、後腹膜気腫及び腸管壁内ガスはいずれもほぼ消失していた。その後食事開始し酸素も減量中止としたが症状再燃なく、入院病日29日目軽快退院となった。 [結語]多発性筋炎加療中に発症した門脈ガス血症を伴う小腸嚢胞様気腫症の一例を経験した。比較的稀な病態であり、若干の文献的考察を踏まえ報告する。 |
索引用語 | 小腸嚢胞様気腫症, 多発性筋炎 |