セッション情報 | シンポジウム2「下部消化管疾患における画像強調内視鏡の活用」 |
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タイトル | 画像強調内視鏡を活用した大腸腫瘍性病変に対する効率的な診断戦略確立にむけた試み |
演者 | 花房 正雄(大阪府立成人病センター 消化管内科) |
共同演者 | 竹内 洋司(大阪府立成人病センター 消化管内科), 飯石 浩康(大阪府立成人病センター 消化管内科) |
抄録 | 【はじめに】画像強調内視鏡(IEE)は病変の発見や鑑別など種々の診断過程においてその効果を発揮しうる。当センターではIEEを用いた効率的な大腸腫瘍性病変診断戦略の確立を目指している。 【背景】我々は先端透明フード(TH)併用自家蛍光内視鏡(AFI)により大腸腫瘍性病変の拾い上げ診断能が白色光観察のみに比べて有意に向上することを報告した。しかし発見された病変の多くが小さな低異型度腺腫であり、病理診断に関わる労力やコストの増加も問題となる。 【目的】拡大内視鏡(ME)を併用したIEE観察により、組織を用いた正式な病理診断を省略する大腸腫瘍性病変の取扱い方針(DISCARD-ME policy)を確立する。 【方法】まずMEを併用する際の観察法の選択として、従来のインジゴ・カルミン撒布下でのME(IC-ME)とNBI下でのME(NBI-ME)とで大腸腫瘍性病変に対する鑑別診断能を比較した。次に選択された観察法を用いた取り扱い方針を作成し、前向き試験によりその方針の妥当性を検証する。 【結果】IC-MEとNBI-MEとの比較ではNBI-MEが癌に対する高い感度を示したため、NBI-MEを用いたDISCARD-ME policyを作成した。現在、その方針の妥当性を検証するための前向き試験(DISCARD-ME trial, UMIN000003740)が進行中である。 【結論】DISCARD-ME policyにより効率的に病理診断を省略できることが示されれば、TH併用AFIでより正確に発見しNBI-MEによるoptical biopsyで低コストかつ適切に取扱いを決定する、IEEを活用した率的な大腸腫瘍性病変診断戦略が確立できると考える。 |
索引用語 | 画像強調内視鏡, 拡大内視鏡 |