抄録 |
症例は70歳代女性。既往歴:約10年前より時々風邪に総合感冒薬服用。現病歴:2010/7/1より全身倦怠感あり、他人より眼瞼結膜の黄染を指摘され、7/2に近医受診。T.Bil8.5mg/dl、AST/ALT=989/941、急性肝炎と診断され、26日間入院。その後通院していたが、肝機能値が動揺するため、2011/1/11当院初診。画像検査では異常がなく、2/1に腹腔鏡肝生検目的にて入院。入院時検査成績はT.Bil0.7mg/dl,AST112IU/l,ALT128IU/l,ALP479IU/l,γGTP175IU/l,T.P8.0g/dl, T.chol233mg/dl,HBsAg(-),HCV抗体(-)、ANA1280倍、AMA(-)。腹腔鏡所見では肝は両葉ともに腫大し、辺縁は鈍。肝表面は凹凸不整を来たし大小不同の結節より成り、完成された肝硬変症の所見であり、弓隆部には赤色紋理を認め、自己免疫性肝硬変症と考えられた。組織所見でも完成された肝硬変症の所見であり、線維性隔壁にリンパ球、形質細胞の浸潤を認め、自己免疫性と診断した。2/10よりプレドニン30mgより開始。以後減量して順調に肝機能値は低下した。【結語】急性肝炎で発症し、腹腔鏡肝生検にて診断出来た自己免疫性肝硬変症の一例を経験したので、報告した。 |