セッション情報 一般演題

タイトル

臍腸管遺残による絞扼性イレウスの1手術例

演者 竹内 庸浩(川崎病院 消化器内科)
共同演者 西田 悠(川崎病院 消化器内科), 野村 祐介(川崎病院 消化器内科), 前田 哲男(川崎病院 消化器内科), 多田 秀敏(川崎病院 消化器内科), 井上 善文(川崎病院 外科), 牧野 哲哉(明舞中央病院 外科)
抄録 臍腸管遺残は、胎生期の卵黄嚢と胎児腸管を連絡する臍腸管が出生後にも閉鎖、消失せずに残存したもので、索状物、嚢胞、瘻孔、Meckel憩室などを形成する。無症状であることが多いが、腸閉塞、出血などの合併症を引き起こすことがある。今回、我々は、開腹歴のない成人男性で、絞扼性イレウスを発症し、開腹所見により臍腸管遺残による索状物が原因であると判明した1手術例を経験したので文献的考察を含めて報告する。【症例】31歳男性【主訴】嘔吐、下腹部痛【既往歴】なし【現病歴】2010年1月初旬、嘔吐、下腹部痛出現し当院救急外来受診し入院となる。【入院後経過】腹部単純CTにて骨盤腔内に拡張した小腸を認め、脾周囲、傍結腸溝、膀胱直腸窩に少量腹水を認めた。腸閉塞と診断したが、腹痛は改善していたため保存的に経過をみた。入院翌日、下腹部痛出現し、腹部エコー検査にて、腹水の増加を認めた。腹部造影CT検査では、拡張した小腸は造影効果不良で、腸間膜にwhirl signを認め絞扼性イレウスと診断した。同日当院外科転科の上、緊急手術となった。開腹所見では腹腔内に淡血性の腹水を認め、小腸は壊死していた。腹壁と臍腸管とのbandに回腸がはまり込み絞扼していた。臍腸管を切除し、絞扼解除後、壊死した小腸を切除後、小腸と結腸を吻合し手術を終了した。経過良好で1月末軽快退院し、その後、症状の再発は認めていない。
索引用語 臍腸管遺残, 絞扼性イレウス