セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル

胆管浸潤による胆道出血を来たした肝細胞癌の一例

演者 門谷 真里(和歌山県立医科大学 第二内科)
共同演者 森畠 康策(和歌山県立医科大学 第二内科), 深津 和弘(和歌山県立医科大学 第二内科), 飯村 紗江(和歌山県立医科大学 第二内科), 新垣 直樹(和歌山県立医科大学 第二内科), 出口 久暢(和歌山県立医科大学 第二内科), 上田 和樹(和歌山県立医科大学 第二内科), 井上 泉(和歌山県立医科大学 第二内科), 前北 隆雄(和歌山県立医科大学 第二内科), 井口 幹崇(和歌山県立医科大学 第二内科), 玉井 秀幸(和歌山県立医科大学 第二内科), 加藤 順(和歌山県立医科大学 第二内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医科大学 第二内科)
抄録 症例は80歳代男性。舌癌の肺転移、アルコール性肝硬変、肝細胞癌に対し積極的な治療を望まれず、経過観察されていた。平成23年2月上旬、発熱、嘔気、皮膚黄染を主訴に受診。採血上肝酵素の上昇とビリルビンの上昇を認めた。CT上肝内胆管の拡張を認め、肝細胞癌の胆管浸潤による胆道出血、それに伴う閉塞性黄疸と診断し、同日緊急入院となった。入院後、保存的に経過を追ったが、第2病日に貧血の進行を認め、胆道出血の進行を疑った。内視鏡にて十二指腸乳頭から出血を認め、また、胆管造影にて胆管狭窄を認めたため、ENBDチューブ留置後、緊急TAEを施行した。治療後の評価として、造影超音波で肝細胞癌に血流の残存を認めたため、TAEだけでは効果不十分と判断し、同病変に対しPEITを追加した。術後ビリルビンの一時的な上昇をみとめたが、貧血の進行を認めず。造影超音波でも腫瘍血流は消失していた。その後、胆管浸潤による狭窄部に対し、内視鏡的胆管ステント留置を行い、黄疸は軽快し、退院した。肝細胞癌の胆管浸潤による胆道出血は比較的稀である。胆道出血のコントロールに動脈塞栓術、PEIT、内視鏡的胆管ステントにて奏功した一例を経験したため、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 肝細胞癌, 胆道出血