セッション情報 ワークショップ2「膵腫瘍性病変の診断と治療」

タイトル

膵腫瘤性病変におけるsecond-generation US-elastographyの有用性

演者 河田 奈都子(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科)
共同演者 田中 幸子(大阪府立成人病センター 消化器検診科), 山井 琢陽(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 酒井 新(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 福武 伸康(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 石原 朗雄(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 長谷川 徳子(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 榊原 充(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 今中 和穗(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 大川 和良(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 上原 宏之(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 片山 和宏(大阪府立成人病センター 消化器検診科), 蘆田 玲子(大阪府立成人病センター 消化器検診科), 高倉 玲奈(大阪府立成人病センター 消化器検診科), 井岡 達也(大阪府立成人病センター 消化器検診科)
抄録 【背景】膵腫瘤性病変の良悪性の鑑別におけるsecond-generation EUS-Elastographyの有用性が報告されつつあるが、経腹壁超音波を用いたsecond-generation elastographyに関する報告はない。また、膵癌のelastogramを腫瘤径別に検討した報告もない。【方法】対象は2010年10月から2011年4月までに当院でUS-elastographyを施行した膵充実性腫瘤の連続33症例(膵癌29例、良性腫瘤4例)。使用機器はHitachi Preirus、9MHzのマイクロコンベックスプローブで得られたelastogramを質的(色調とその均一性)量的(strain ratio、以下SR)に評価した。また、膵癌のelastogramを腫瘤径別に検討した。【結果】平均腫瘤径は26.6±11.9 mm。腫瘤存在部位は頭/体/尾部が各々22/9/2例。全33例中32例がB-modeで描出可能で、そのうちelastographyが施行可能であったのは31例(94%)であった。良性腫瘤(n=4)のSRは中央値で1.41, 膵癌(n=27)は10.32で、EUS-elastographyにおける報告と同様に膵癌では良性腫瘤と比べて高い傾向があった。膵癌のうち腫瘤径が25mm以下(n=10)とそれ以上(n=17)の2群に分けて比較したところ、25mm以下群でのみ緑を基調とする症例が見られ、それ以上群では青を基調として色調が不均一な症例が多くなった(p=0.028)。また、25mm以下群のSRは中央値で2.70、それ以上群では12.66で腫瘤径の増大に従って有意にSRが高くなった(p=0.045)。【結語】EUS-elastographyと同様にsecond generation US-elastographyは有用である可能性が示された。膵癌では腫瘤径の増大に伴いelastogramが変化することが示された。
索引用語 US-elastography, 膵腫瘤性病変