セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル

肝癌腰椎転移に対してTAEを施行した1症例

演者 山本 好子(大阪市立大学 医学部 卒後研修センター)
共同演者 萩原 淳司(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 川村 悦史(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 藤井 英樹(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 小林 佐和子(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 岩井 秀司(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 森川 浩安(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 榎本 大(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 田守 昭博(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科), 河田 則文(大阪市立大学 医学部 肝胆膵内科)
抄録 【背景】遠隔転移のある進行肝細胞癌に対する標準治療はソラフェニブの投与である。骨転移の症例に対しては、疼痛などの症状緩和目的に放射線照射などが施行されたり、病的骨折予防目的にビスホスホネート製剤の投与が施行される場合がある。今回、我々は、骨転移に対してTAEが症状緩和効果を示した症例を経験したので報告する。【症例】症例は63歳女性。1987年に慢性C型肝炎を指摘、2008年に肝癌の初発を認めRFAを施行した。その後、再発病変に対してRFAを4回、PEIを1回、TAEを1回施行することでコントロールしてきた。2010年6月のCTにて腰椎L2への転移を認めたため放射線照射30Gr/10Fr施行後、病的骨折予防目的にゾレドロネート4mgを月1回の割合で投与した。2011年2月のCTにて肝S6に10mm大の局所再発とL2転移部の増大を認め、左下肢の疼痛としびれ、感覚低下を訴えるようになったため加療目的に入院となった。【入院時現症】PS=1(腰椎転移のため歩行困難), 腹水なし, 左下肢に疼痛としびれと感覚低下, Child A, HBs抗原(-), HCV抗体(+), 血小板: 5万 /ul, AFP 27911 ng/ml, PIVKA-II 506 mAU/ml。【入院後経過】入院翌日に肝S6に対してRFA施行。翌々日にCTにて焼灼良好を確認した。一方、腰椎転移に対しては、ソラフェニブ内服、手術, RFA、骨セメント、TAE、メタストロンなどを検討した。本人が積極的な局所治療を希望したためソラフェニブは除外、手術は血小板が少なく適応外、RFAや骨セメントは熱が脊髄に及んだり圧迫する可能性があり除外、メタストロンは鎮痛効果が期待できるもののしびれや感覚低下の改善は期待できないため除外された。TAEを選択し、血管造影にて栄養血管と同定、Adamkiewicz動脈が造影されないことを確認の上、L2とL3とL4の腰動脈に対してTAEを施行した。合併症なく経過したため退院し外来で経過観察することとなった。【考察】肝癌骨転移に対するTAEは選択肢の一つと考えられる。文献的考察を加え発表する。
索引用語 肝癌, 骨転移